yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

「アナザーストーリーズ▽羽生結弦オリンピック連覇~メダリストたちが語る最強伝説」@NHK BS プレミア 1月30日放映

フィギュア界のみならず世界の宝である羽生結弦選手。彼の「未来」を確信し、それを応援する人たちを追った番組。「アナザーストーリーズ」というだけあり、羽生選手自身の動向云々より、彼を取りまく第一級の人物たちの彼へのオマージュを収集している。面白い視点だと思う。そして今、最も要請されるべき視点でもある。くだらない外野席からの流言蜚語をシャットアウトするために。羽生結弦さんをそれらからガードするためにも。

番組には三人の関係者が登場する。それぞれ羽生結弦さんの類い稀れなる資質を認め、それをリスペクトし、さらなる発展を保証する人たちである。番組がこの三人に何を求め、明らかにしようとしたが以下の紹介文に表れている。

ディック・バトン。1948年サンモリッツ、1952年オスロで2大会連続の金メダリスト。現在は89歳だがフィギュアスケートの毒舌解説者としても有名だ。彼が唯一といっていいほど認めているスケーターが羽生結弦。彼はなぜ羽生結弦を認めているのか?

 

皇帝プルシェンコ。羽生結弦は幼少期から髪型も真似するほどプルシェンコの背中を追いかけていた。圧倒的な優勝歴を持つプルシェンコでも成し遂げられなかった五輪2連覇。彼が語る羽生とフィギュアスケートの哲学。

 

ハビエル・フェルナンデスと羽生は同門、トロントのクリケットクラブで切磋琢磨してきた。平昌では銅メダリストとなったフェルナンデスは表彰式で羽生とハグし、その後羽生は涙を流す。果たしてその涙の意味は?彼はそこで羽生に何を語ったのか? 

それぞれの羽生結弦選手への言葉を聴きながら、嬉しく思うと同時に、「そう、そんなことはもう知っていたんです!」って叫んでいる自分がいた。でも、それは違っているのかもしれない。私が圧倒されるのは、あくまでも羽生結弦さんの芸術的高みであり、テクニカル面のそれはあくまでもお添えものではあるものの、彼らが「保証」しているのは技術的極みであり、かつそれを可能にしている彼のメンタルな強さである。たしかに、あの芸術的パフォーマンスを可能にしているのはひとえに技術の高さですよね。

「羽生結弦選手は別格である」というのが、三人が共通して出している結論である。また、「彼を自由に(!)さえしてあげれば、その未来はとんでもなく華麗なものになる」という、羽生選手への応援であると同時に、アホな外野への叱責であったような。雑音から隔離し、羽生結弦選手の精神的安穏を保証して欲しいと切に思う。その意味では、今の時期にこれが放映されたことの意味があるのかも。

ちなみにハビエル・フェルナンデス選手が羽生結弦選手に伝えたのは、「僕、今季で引退するので、これが君との最後の試合」だったらしい。思いがけない引退宣言に動揺、思わず「You are so bad!」って言ったんですね、羽生選手は。まるで兄弟。その彼とライバルとして何年も一緒に過ごしたハビエル。羽生結弦さんの想いを受け止め喜んでいるのが、画面から伝わってきた。ハビエル・フェルナンデスもすごい選手です。テクニカル面だけではなく、精神的的にも。二人の「ありえない」ほどの友情のレベルの高さに、ただただ感動するしかない。