yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

マシュー・ボーンIN CINEMAバレエ『シンデレラ』英国サドラーズ劇場にて収録@シネリーブル神戸11月22日

予想したものとまるで違っていて、かなり失望。いわゆる「シンデレラ」のお話というより、戦時下の男女の悲恋にハリウッド的色気を加味したバレエ作品といったほうがいいような。一応、映画のサイトにアップされていた情報をあげておく。

matthewbournecinema.com

以下にその「キャッチフレーズ」と「配役」を。

マシュー・ボーン新作は新解釈シンデレラ!

英国バレエ界の鬼才マシュー・ボーンが演出・振付を手がけた名舞台「マシュー・ボーンの『シンデレラ』」の2017年ロンドン公演をスクリーン上映。
世界で最も古い童話の一つ 「シンデレラ」の時代設定を第2次世界大戦下のロンドンを舞台に置き換え大胆にアレンジ。斬新かつスリリングで刺激的なラブストーリーとして描く。ある魔法のような夜、シンデレラと空軍パイロットの青年は、出会った瞬間に恋に落ちる。しかしナチスドイツ軍の大空襲により、運命で結ばれていたはずの2人の仲は引き裂かれてしまう。
トニー賞最優秀衣装デザイン賞を受賞したレズ・ブラザーストンが舞台・衣装デザインを担当した。 

演出、振付:マシュー・ボーン

キャスト

シンデレラ:アシュリー・ショー
パイロット:アンドリュー・モナガン
継母:ミケラ・メアッツァ
天使:リアム・ムーア
父親:アラン・ヴィンセント

まるでハリウッド版ミュージカル。それにしてはちょっと地味かもしれない。もっと過激にハリウッドだったら評価できるのだけれど、中途半端なので乗り切れなかった。「まさかロイヤル・オペラハウスじゃないよね?」って思ったら、やっぱりサドラーズ劇場。いくらなんでもこれじゃROPには乗れないでしょう?悲恋を描くという着眼はいいとしても、このオチではしらけてしまう。踊り手も一流ではないようで、異国人の私としてはどこに焦点を合わせてみたらいいのか、かなり戸惑った。いくら題材がチープでも踊り手が素晴らしければ、それなりに評価できるのだけれど。それでも(録画で見ると)スダンディング・オベーションだったのには驚いた。また、以下のように、現地の劇評(The Stage)も悪くないので、二重に驚いた。

https://www.thestage.co.uk/reviews/2017/matthew-bournes-cinderella-review-sadlers-wells-london/

まあ、ロイヤル・オペラハウスのバレエとは違った別のジャンルと考えればいいのかもしれない。こういうわかりやすい方が今時の観客には受けるのかもしれないですね。この日の客の入りは以前に見た「ポルーニン」のときより若干少なめ。でも皆さん熱心に最後まで見ておられた。私は途中退出しようかと思うくらい退屈してしまった。英国と日本の歴史背景の差を思いっきり感じさせられてしまった。「40年代英国戦時下の状況」を、日本人に分かれというのが無理な話ですよね。戦争、その状況にも「universality」はないんですね。