yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

四頭の獅子の毛ぶりが壮観「鬼揃紅葉狩(おにぞろいもみじがり)」in 「秀山祭九月大歌舞伎」@歌舞伎座 9月26日千秋楽

まず、「歌舞伎美人」からの演者一覧と見どころを。

演者

更科の前実は戸隠山の鬼女
平維茂
侍女かえで
侍女ぬるで
侍女かつら
侍女もみじ
従者月郎吾
従者雪郎太
男山八幡の末社
男山八幡の末社

幸四郎
錦之助
高麗蔵
米吉
児太郎
宗之助
隼人
廣太郎
玉太郎 
東蔵

みどころ

美しい姫が秘める鬼の本性

 平維茂が従者とともに信濃国戸隠山を通りかかると、侍女を従えた更科の前から酒宴に招かれ、盃を重ねるうちにまどろんでしまいます。すると更科の前は豹変し、戸隠山の鬼女の本性を現します。鬼女が姿を消した後に現れた男山八幡の末社の舞により目を覚ました維茂は、鬼女たちを退治するために山奥に分け入り…。
 美しい姫と侍女がそろって鬼女となる変化に富んだ舞踊劇をご覧いただきます。

 

この「秀山祭」では『金閣寺』がヴィジュアル的にもっとも見応えがあったけれど、「鬼揃紅葉狩」もそれに負けていなかった。まず、幸四郎。最初に美女軍団(?)を率いる更級の前で登場したとき、「えっ、だれ?」って思ったほど女方が板についていた。そういえば面貌はどちらかというとフェミニンなんですよね。最近はいかつい英雄役を旨としているので、忘れていましたが。鬼女への変貌が鮮やかだった。以下の写真は筋書きから拝借したもの。スマホで撮ったので鮮明ではないのですが。

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彼女が率いる美女たちは児太郎、米吉、宗之助の三方。米吉が可憐で可愛いのはいつものこと。児太郎、いわゆる「可愛い」というのではないのに美女に納まっているのが、ちょっとおかしい。でも存在感がハンパない。宗之助はこの二人と比べるとわりを喰った感じ。

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この美女三人に高麗蔵が加わっての毛ぶり、見応えあり。揃っているところではなく、それぞれに個性が発揮されているところが。化粧で誰と判らないほどではあるものの、私はいっぺんに誰かが判りましたよ。児太郎はここでも目立っていた。力強いしっかりした振りだから。米吉はやっぱり可憐な感じ。宗之助はその中間。高麗蔵は年齢があって、なかなか腰が入りづらかったような。

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隼人の従者月郎吾が苦みばしったいい男。化粧もあるのだろうけど、『NARUTO』あたりからの進境が著しい。もはや「優男」ではない。

能の『紅葉狩』を昨年、二条城本丸での公演で見ている。

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九郎右衛門師率いる鬼女の総揃いが壮観だった。三人の侍女は、味方玄、片山伸吾、橋本忠樹各師という京都観世気鋭のシテ方が演じた。九郎右衛門師の鬼女を頂点として、次女それぞれが存在を誇示していた。平維茂役の福王和幸師の雰囲気は、錦之助演じる歌舞伎版との共通点が大だった。つまり、鬼女の「引き立て役」という点で。美しい貴公子、維茂を組み伏せるほどの魅力を、鬼女軍団は持っていなくてはならないんですよね。

今回の「秀山祭」は能からのアダプテーションが多く、その意味でもとても興味深かった。