yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

能ロス?

能の舞台を見たい!そう切望しても異国では不可能。8月の頭に帰国するまで、我慢、我慢。生の舞台とは行かなくても、せめてDVDを何本か持って来ればよかった。こんなことをグダグダ思っている。 

禁断症状が出る前に、明日SOASライブラリーでDVDを見ることにした。多分、能楽関連ビデオのコレクションがあるはずだから。貸出しは無理でも、その場で見ることはできるだろう。はてさて、何本もあった!

『隅田川』は梅若六郎師のものと友枝昭世師のものの2本、加えて『能楽名演集』のシリーズI、シリーズIIIが所蔵してあるようである。

シリーズI:鉢木/ 隅田川/ 頼政/ 弱法師/ 井筒/ 黒塚/ 葵上/ 仕舞/ 独吟/ 一調、舞囃子

シリーズIII:卒塔婆小町/ 松虫/ 俊寬/ 猩々乱/ 楊貴妃/ 草紙洗小町

 

六郎師の『隅田川」と両シリーズは家にあり何度も見ているけれど、その中でも55世梅若六郎師の「松虫」は最も好きな演目。

 

こちらに来てからずっと図書館にこもって、能楽関係の書物をかたっぱしから読んでいる。必要な資料はほぼ揃っていて、漏れることがないのがありがたい。2000年以降の出版のものを10冊ほど読んだ。能に関していえば、他の古典演劇ジャンルよりずっと研究が進んでいるように思った。研究者のレベルも高い。ケンブリッジ大学出版から一昨年に出たばかりの龍谷大のJonah Saltz教授編纂のA History of Japanese Theatreが非常に包括的で良かった。英語圏の、さらにそれ以外の言語圏の研究者をまとめてこの本の出版にこぎつけられたのはすごいこと。尊敬する。

寄稿者の中にペン大の同級生の名前が。確か舞踏(Butoh)でPh.D.をとったはず。で、ここでもそれを担当。「へぇー」って思った。2006年出版の別の本ではまさに「Butoh」の章を書いていた。元はモルモン宣教師として日本に来た人。まあ、「Butoh」は穴場で、英米人で研究している人は他にいないですものね。彼とはハウスメイトだったこともあった。今度フィラデルフィアに舞い戻ったら、元ハウスメイト仲間のディオンヌに報告しなくては。何しろ彼は私たち共通の「敵」だったから。なんども喧嘩したっけ。