yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

衣装が素晴らしいMETライブビューイング『サンドリヨン』〜シンデレラ〜@神戸国際松竹6月5日

買っておいたシーズンチケットが1枚残っているのに、昨日気付いた。よほど観劇は止そうかとも思ったのだけれど、初めて見る演目なので誘惑に勝てず。「オペラ版シンデレラ」と聞いたら余計に見たくなった。

いつもながらMET の紹介が懇切丁寧。リンクしておく。

www.shochiku.co.jp

そこから借用した演者と概要。

指揮:ベルトラン・ド・ビリー

演出:ロラン・ペリー

出演:ジョイス・ディドナート、アリス・クート、ステファニー・ブライズ、キャスリーン・キム、ロラン・ナウリ

上映時間:3時間4分(休憩1回)

MET上演日:2018年4月28日

言語:フランス語

 

宝石のような音楽の花束から立ち上がる「シンデレラ」物語。あまりにも有名なペローの童話を、フランス人マスネがオペラ化した魅惑のメルヘン!色彩とニュアンスに富んだ音楽の玉手箱を、名匠L・ペリーがファンタジックに視覚化。豪華な衣装にも注目だ。夢見るシンデレラ J・ディドナートと憂愁の王子A・クートの愛の二重唱に酔い、お洒落なバレエに胸が躍る。全てが揃った極上のおとぎ話で、時を忘れる贅沢を。

このサイトにアップされた映像から十分に推察できるはずだけれど、セットが素晴らしい。シンプルで、斬新かつユニーク。ただあまり凝ってはいない。CGもなくて、あくまでも演者を中心にしたプロダクション。METにしてはおとなしめだった。ファンタジーをどう演出するかという点でジュリー・テイモア演出の『魔笛』と幾分か共通点があるけれど、あれよりは過激度は少ない。「あれーっ」と驚くところはないけれど、盛り上がりに欠けているわけではなく、ファンタスティックな雰囲気を醸し出す工夫がここかしこに配されている。演出のロラン・ペリーのセンスが光っていた。

女性歌手が男性を演じるのは昨年見たシュトラウスの『薔薇の騎士』と共通している。あの時は男性のオクタヴィアンをエリーナ・ガランチャが演じた。

www.yoshiepen.net

ガランチャはメゾソプラノ。今回の男性役のアリス・クートも同じくメゾ。雰囲気は似ている。ただ、ガランチャの方が無理がなかった。歌手としての力量の点ではなく外見が。外見はかなり重要なんですね。特に映像として大写しにされてしまうライブビューイングでは。

外見でいえば、サンドリヨン役のジョイス・ディドナートも歌声は素敵に美しいのではあるけれど、外見に華やかさがかけるように感じた。またしても『薔薇の騎士』で元帥夫人を演じたルネ・フレミングと比較してしまった。フレミングは登場するだけで溢れんばかりの愛嬌と華やかさだったから。

幕間に衣装担当の二人へのインタビューが挿入されていて、とても興味深かった。今回最も高得点を稼いだのは、奇抜な衣装群だったように思う。とにかく素晴らしい。赤一色といっても良いほど赤に限定された衣装。凝ったのはその形状。よくぞ思いついたというほどの奇抜さ。その奇抜さから醸し出される滑稽感が軽妙な音楽にマッチしていた。スラプスティック度、満点だった。

この奇妙奇天烈な衣装を着せられて、全く見劣りがしなかったのはアルティエール夫人(サンドリヨンの継母)を演じたステファニー・ブライス。演技、歌唱共に圧巻。また、妖精役のキャスリーン・キムもそのコロラトゥーラの歌声に聞き惚れた。演技も可愛くかつコケティッシュで、見ごたえがあった。

そうそう、観客数が今まで見てきたMETライブビューイング中で最も多かった。ほとんどが高齢の女性。困ったのは始まる前も始まってからもおしゃべりしていたこと。しゃがれ声って結構耳障りなんですよね。一人二人ではなく、かなりのご婦人が、同類がいる安心感からか傍若無人のおしゃべり。うんざりした。