yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

『エンジェルス・イン・アメリカ』(Angels in America)in「ナショナル・シアター・ライブ」@大阪ステーションシティシネマ 2月2日

ユダヤ系の劇作家、トニー・クシュナー作。今では不治の病ではなく、コントロール可能な病になったエイズ後天性免疫不全症候群)。エイズがキーファクターになっている本作品は、エイズが猛威をふるっていた1980年代終わりが舞台。舞台版Angels in Americaの初演は1991年。ブロードウェイでの上演が1993年。同年にピューリッツアー賞を受賞している。

私事になるけれど、1991年から翌年にかけての1年間、私がアメリカのブラウン大学に在外研究で滞在していたころ、この「エイズ」は大きな社会問題になっていた。そして、ここに同性愛の問題が絡んでいた(当時は同性愛者が主として罹患するといわれていた)こともあり、もっといえば「同性愛者」の敵であるレーガン大統領がアメリカの「トップ」であったこともあり、様々な問題−−−それは当然社会的なものだけではなく、もっと個人的なものでもあったのだけど−−−が喚起された。私はその社会的な混乱の「目撃者」(eye-witness)でもあった?

とはいえ、あまりにものカルチャーショックのただ中に放り込まれた感があった当時の私は、しっかりと咀嚼できないまま1年が過ぎてしまった。でもあの「雰囲気」はただならなかった。その感触は今でもありありと甦えってくる。

ブラウン大では演劇のクラスを聴講させてもらった。そこにもやっぱり「同性愛」絡みの演劇は入っていた。いわゆる「腐女子」であった私。勇んでそういうクラスに臨んだ。でも「何か違う感」が常につきまとった。もっと深刻であり、身を喰む問題であることが明白だったから。いかに能天気な私でもそこはやり過ごすことはできなかった。でもそれも「帰国」という揺るがない現実で打ち切られた(terminate)のではあるけれど。

だから、この作品はペンディングになっていた課題を反復、復習するという機会を与えてくれたのかもしれない。感謝。それにしてもやっぱり生々しい!

以下にNTLiveの公式サイトからの解説をアップしておく。

America in the mid-1980s. In the midst of the AIDS crisis and a conservative Reagan administration, New Yorkers grapple with life and death, love and sex, heaven and hell.

Andrew Garfield (Silence, Hacksaw Ridge) plays Prior Walter along with a cast including Denise Gough (People, Places and Things), Nathan Lane (The Producers), James McArdle (Star Wars: The Force Awakens) and Russell Tovey (The Pass).

This new staging of Tony Kushner’s multi-award winning two-part play, Angels in America: A Gay Fantasia on National Themes, is directed by Olivier and Tony award winning director Marianne Elliott (The Curious Incident of the Dog in the Night-Time and War Horse). Part One: Millennium Approaches was first performed at the National Theatre in 1992 and was followed by Part Two: Perestroikathe following year.
Part Two: Perestroika, will be broadcast live from the National Theatre on 27 July.

ここにあるように、今回のものは二部になった最初のもの。この後、第二部が舞台に乗り、シネマ版になるということ。とにかく役者が全員すごかった!こういう役者は日本にはいない。いるはずもない。「役者」であるための条件がまったく異なっているから当然。

およそハリウッド的な美男美女とは無縁の本作品。かわいいレベルの役者といえばPrior Walterを演じたAndrew Garfield くらいだろう。すでに地歩を確保した役者らしい。ユダヤ系。エイズに罹ってしまい、ゲイのパートナーに見捨てられる役。延々とその惨状を訴えるのが、真に迫っている。同時になんとも健気。

もう一人なんとも魅力的なのが、彼の友人のベリーズを演じたArun Blair-Mangat。伝説の“Kinky Boots”にも出ていたよう。

あとRoy Cohn、Kate Harper等、一癖もふた癖もある役者揃い、圧倒される。

第二編は「ペロストロイカ」との副題が付いている。シネマ版公開が6月ということは現地では3月に舞台に乗る?劇場は去年私が『Jane Eyre』を見たLyttleton Theatre。規模はそんなに大きくないから、チケットは早くに売り切れるかも。