yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

大蔵流狂言『昆布売』in 「観世青年研究能」@京都観世会館8月5日

この狂言は初めて。機知に飛んでいて、ユーモアたっぷりで、現代の笑いのセンスにもピタリとハマる優れものだった。演者のお二人、茂山良暢さんと山口耕道さんがこれまたお見事。自然体に見えるのに、何とも滑稽。クスクス笑いがずっと続いた。楽しかった。大蔵流狂言、特に茂山家狂言はこの自然体が命。茂山千五郎家もこの茂山良暢さんの茂山忠三郎家もその点で共通している。狂言単独では千五郎家のものを多く見てきたけれど、今回初めて忠三郎家のものを見た。微妙に異なったところがあったけれど、でも自然体のところはとても似ていた。以下が演者。

大名   茂山良暢 
昆布売り 山口耕道
後見   山本善之

日本大百科全書(ニッポニカ)の狂言『昆布売』解説が以下。

召使いを連れずに外出した男が、行きずりの若狭(わかさ)の昆布売(シテ)を刀で脅し、むりやり自分の太刀(たち)を持たせる。腹にすえかねた昆布売は、男が油断したすきに太刀を抜いて逆に脅し、小さ刀(ちいさがたな)を取り上げたうえ、昆布を男に押し付けて売らせる。売り声にさまざまな節をつけて謡い舞わせたすえ、商売繁盛の文句を男に謡わせておいて、昆布売は返す約束の刀を持ったまま逃げて行く。類曲『二人大名(ふたりだいみょう)』同様、ストーリーに下剋上(げこくじょう)的気分も漂うが、さまざまな節で昆布を売るという趣向がこの曲では中心をなしている。

昆布売りが大名に謡わせたのが、「浄瑠璃節」、「平家節」、小歌節」、そして「踊り節」調の昆布売りの謡。まずお手本を昆布売りが謡ってみせ、それを大名が真似る。お二人ともお上手だった。昔の様々な節が聞けて楽しい。大名役の茂山良暢さんの憮然とした「仕方ないか」という表情がおかしかった。

実は演者のお二人とも単独の狂言で拝見するのは初めて。能中のアイとしてはお二方共に見ている。

茂山良暢さんは片山九郎右衛門さんの『松風』(片山定期能7月公演)でのアイと、河村紀仁さんシテの『鵺』(「青嵐会」)でのアイを。山口耕道さんは『張良』(片山定期能7月公演)でのアイ『鶴亀』(「青嵐大会」でのアイを。あまり記憶に残っていなくて、申し訳ない。