yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

森川劇団『伊三郎のバラード』@池田呉服座7月29日夜の部

昼に「アルチンボルド展」を東京上野の国立西洋美術館で見て、その後午後4時発のフライトで伊丹に帰着。スケジュールには入っていなかったのだけど、千秋楽前日のこの日、ミニショーの最後に再び「大喜利」が出ると聞いたから急遽予定変更。なんとか6時の開演に間に合った。池田呉服座が伊丹から近くてよかった。

期待値の高かった「大喜利」、今回は座長竜二さんの変化球が多かったけれど、楽しかった。座員さんたち、腕を挙げておられた。竜馬さんと新之助さんが何といっても前回同様光っていましたけどね。無理しても来て大正解。

左から司会の座長、次にまたもや鬘ずらしの竜馬さん、腕を上げていた栄吾さん、こちらも手を挙げまくった順平さん、したり顔の慶次郎さん、どうしてこの姿勢?の新之助さん(やっぱりウィッティ)、そして座布団運びの煌大さん。

お芝居は『伊三郎のバラード』。このタイトルでは他劇団でも見たことがあるけれど、森川劇団のものはかなり違っていた。以下が大筋。

元ヤクザで、今は足を洗って堅気になった男(竜二)。妻(なみ)は重い病の床にある。

この男の留守中に別の男(竜二)が追われて逃げてきたのを、妻が一時かくまってやる。この男、必ずや恩返しをすると感謝しつつ去ってゆく。男は土地のヤクザの一味に狙われていたのだった。この男が伊三郎。つまり、座長竜二さんが二役のお芝居。二人の男が「そっくり」であることから、入れ替わりというか成り変わりのモチーフを軸に話が展開する仕掛け。

伊三郎を追っていたヤクザの親分(新之助)、彼を捕まえたら50両を与えると、別の組の代貸(順平)に約束する。この代貸の子分(竜馬)は常々元の兄貴分の男を気遣っていた。今日も今日とて妻の見舞いにやってきた。彼は兄貴分と伊三郎がそっくりであることに改めて驚く。そう言われた兄貴分は取り合わない。

さて堅気になった男はなんとかして妻を助けたい。医者(梅澤秀峰)は30両もする朝鮮人参を飲ませれば回復するかもしれないというが、その日暮らしの彼には金を調達する術はない。金を待ってくれと懇願するが断られる。そこで思い出したのがが、追われている男と自分が瓜二つであるという弟分の話。ここからは想像通りの展開。

男は弟分に成り代わりの案を話し、自分が討たれた後に50両を親分からもらって、その金で薬を買ってくれと依頼する。断る弟分。

止める妻を振り切り、ヤクザのところに自ら「伊三郎」を名乗って乗り込んだ男。親分は弟分にこの男を斬らせ、50両与える。ここからが予想外の展開。弟分はこの金を兄貴分の妻のところに持ってゆかず、ネコババする。

一部始終を物陰から見ていた伊三郎、弟分を斬って捨て、50両を携えて妻のところへ赴くが、彼女はすでに自害していた。嘆く伊三郎。ここから「伊三郎のバラード」という題になったこと分かる。一つ難点があるとすれば、弟分の急な変心。竜馬さんの演技が優れていただけに、この展開が少し残念だった。

森川劇団のお芝居は手堅い。芸達者ぞろい。座長、竜二さんがレベル以上でないと座員さんに大きな役を与えないからだろう。水準を保つのに賢明な判断だと、いつも感心する。

竜二さんはとにかくウィッティで頭の回転が速い。アドリブにもひねりがある。舞踊では立ち、女形共にお綺麗だけど、特に女形の後ろ姿の色っぽさ、しなやかさがステキ。竜馬さんは座長と差別化(?)するのに長けている。お芝居はきちんと大真面目に演じて、脱線気味の竜二さんを「支える」。演技が爽やかでべったり感がないのがいいです。立ちではより男っぽさを強調。イキです。女形ではあの男っぽい(ごつい?失礼)方がものすごい妖艶な美女に。このギャップが萌えです。確信犯的ですが。それに選曲が素晴らしい。ハズレなしだった。新之助さんのお芝居は絶品。ちょい役だけれど光っている。舞踊も立ちだけだけれど、手の先にまで神経が行き届いていて、いつも唸らされる。

というわけで(?)今月この千秋楽前夜まで8回も通ってしまった。翌日の千秋楽も出かけてしまった。