yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

宗一郎「能遊び」@有斐斉弘道館1月27日

林宗一郎師が主催する能の普及と教育の会。今年度は今日が初回、全6回にわたって開催される。以下、弘道館のサイトからの紹介文。

シテ方五流見参!!
能の世界をさまざまな角度から「あそぶ」
あらゆる伝統芸能の基底となっている能。
能を知って、日本文化のとびらを開きませんか。
室町時代に誕生し、今も生き続けている能の世界を
さまざまな角度から「あそび」ます。
夕暮れ時の有斐斎弘道館の庭にひびく謡(うたい)と舞。
各回のテーマにあわせた菓子もお楽しみに!

主催者の林宗一郎さんを拝見するのは初めて。先日の大津での能公演のチケットを譲っていただいた方のメールに「前途有望な能楽師」と書かれていたので、このレクチャーというか「能遊び」に参加することに。期待は違わず、新進気鋭の能楽師であることはすぐに解った。でもとんがった感じではなく、爽やかでかつ温かみのある方。お話もわかりやすく、能への興味を掻き立てられる。そして何よりも楽しい。

ゲストは喜多流の大島輝久師だった。福山在住で東京と福山とを往復されながら活動されているよう。喜多流のシテ方。そもそも能の五流といっても、その違いなんて初心者の私には全く区別がつかない。お話の流れから、喜多流は最も新しい(といっても江戸時代から)流派で、将軍家がパトロンだったので、武家の様式が入っているとのこと。そこが他の流派との大きな違いだとか。

観世流の宗一郎師と喜多流の大島輝久師。それぞれの舞い方の違いを実演付きで演じてくださった。能は能なので、ベースは共通しているのだけど、表現の仕方が微妙に違っている。時としてはかなり違っている。お二人でそれを一つ一つ、丁寧に確認してくださるので、見ている側も思わず膝を乗り出してしまう。使う扇も違うし、その使い方もかなり異なっている。「へぇー」って思いながら見ていた。面もそれぞれの流派で使うものが多少異なることもあるよう

最後はお二人で交互にに謡いながら舞われた。お二人とも40代はじめなので、すっきりと美しい。技巧的なことはわからないけど、重厚な演技よりも、このような清新なものの方が私には好ましく映る。また躍動的なので、ワクワクさせられる。楽しい。

レクチャーの前に別室でお抹茶とお菓子が振る舞われた。今日のお菓子は喜多流の扇の模様に因んだものだったとか。美味しくいただきました。とはいえ、ちょっと緊張してしまった。今日のお客さんたちは40人余り。熱心な方ばかりだった。

宗一郎師は「林定期能」にも出演されるので、3月25日に観世会館で開かれる公演に行こうかと考えている。またこの「能遊び」シリーズにも参加したいと思っている。

午後6時始まりと思い込んでいたら、6時半始まりだった。地図をきちんと見てゆかなかったので迷子になり6時に飛び込んだら、まだ始まっていなくて、ホッとした。会場になった有斐斉弘道館は「江戸中期の京都を代表する儒者・皆川淇園(みながわきえん/1734-1807)が1806年に創設した学問所で、私立大学の先駆とされている」由緒ある建築物。取り壊されそうになったのを、有志の方々の力で保存、現在はボランティアの方々が維持に協力されている。完璧な日本建築で、庭も美しい。多彩な伝統文化関連の催しが開かれている。