yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

「林定期能」での林宗一郎さんの仕舞「昭君」が素敵だった

お父上を今年亡くされたばかり。その上でまだ三十代の若さで林家の当主になられるのはさぞ大きな負担だろうと、勝手に想像している。でもこの「林定期能」のメンバーを見ても明らかなように、河村家を始めとする(宗一郎さんのお父上の)林喜右衛門師のお弟子さんたちが打ち揃って宗一郎さんを支えている。これは心強いはず。

毎回若手の流派の違う能役者をゲストとして招待、普段は聞けないような話が聴ける「宗一郎の会」を定期的に開催しておられる。私も一度お邪魔した。終わるのが遅く帰るのが大変なので、ちょっと二の足を踏んでしまってはいるけれど。

宗一郎さんの仕舞は5回以上拝見しているけれど、いつもその舞い姿の美しさと声の奥行きに圧倒される。この若さでここまでのレベルというのは超人的。日頃の研鑽のほどが窺えるだけでなく、並々ならない才能を感じる。水際だった男前であるのも印象的。この10月のあのエポックメイキングな片山九郎右衛門さんと味方玄さんの『鷹姫』公演の折、その前に演じられた『松風』のシテツレ(村雨役)をされた。シテは宗家、観世清和師。正直なところ、宗家よりはるかに宗一郎さんの方が良かった。憚って当ブログ記事にはしていませんけれどね。その時のプログラムを取り出して見返しているのだけど、地謡は「林家」所縁の方々。「林定期能」の常連さんたち。なんかほのぼのしました。

私見では能(界)の中では「京都観世」が一番。その中でも片山九郎右衛門さんと味方玄さんが抜きん出ている。お二人に続くのが林宗一郎さんだと密かに思っている。まあ、一年余りの観劇での「評価」ではありますが(かなり的確?笑)。思い立ったらすぐに京都に能を見に行ける幸運を、改めて噛みしめている。

地謡は以下の方々。

河村紀仁
田茂井廣道
河村晴道
河村和貴