yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

『伊豆の恋三味線』たつみ演劇BOX@朝日劇場5月19日夜の部

ああ、たつみさん、やっぱり出ておられた。手術が3日前の16 日。翌日に退院されたという。そのまま、朝日劇場の舞台に挨拶に出られたよう。呆れるやら、心配やらだけど、根っからの役者なんでしょうね。でも無茶ですよ。その上、出て来られるたびに謝られるなんて。どういう責任感なんでしょうか。

『伊豆の恋三味線』は初見だった。予定では『上州三盗伝』だったのを、変更。できるだけ出番が少なくて済むこの演目に。とはいえ、やっぱりきっちりと出ておられた。嗚呼!ざっとした筋は以下。

芸者千代(小龍)は大店に嫁いだのだけど、元芸者だということで子までなしたその家を追い出される。帰ってきたのが置屋、下田屋。毎日残してきた息子恋しさに嘆き、酒浸り。そこにやってきたのが嫁ぎ先の手代(ダイヤ)。赤ん坊を抱いている。彼女が授乳していると、嫁ぎ先の義父(宝)がやって来、子供をもぎ取るようにして、連れて行ってしまう。詫びる手代。泣き崩れる千代。

下田屋の女将(龍子)はいい人だったけど、息子(翔)が極道。女将の留守の隙に千代に横恋慕する男(ライト)を引き入れる。男と揉み合ううちに千代は男が持っていた短刀で男を刺し殺してしまう。声を聞きつけてやってきた岡っ引きに捕らえられ、島送りになる。この岡っ引き役がたつみさん。花道を出てこられると「ウワー!」と歓声が。何をやられてもオーラがハンパない。客席をご覧になって、「やっぱり、この景色がいちばん好き!」。

五年後。伊豆の港。孫を連れた老人の姿が。あの千代の義父。毎日のようにやってくる三味線弾き。あの手代。岡っ引きがやってきて、御赦免船が到着したと知らせる。徳川幕府が滅んで、新しい政府が出来たのだと告げる。岡っ引きが「語り」(狂言回し)の役を担っているのがわかる。千代が帰ってくるが、盲目になり、手には三味線を。

手代と千代との再会。手代は下田屋が焼けて、女将も亡くなったと告げ、自分と一緒に門付けをして生活して行こうという。そこに現れたのが孫の手を引く千代の義父。手代に目で黙っているよう合図し、門付けを頼む。

千代の元嫁ぎ先。彼女の夫(瞳太郎)には新しい妻(京香)が。ただ、病んですっかり元気がない。元の家とは知らず、元手代とともに相三味線を弾く千代。「唐人お吉」物語を謳う。小龍さんの歌を初めて聞いた。お見事!歌謡曲風と言うより、浪曲調。渋い。涙する一同。二人に多額の謝礼をする義父。新しい妻も千代に子供を抱かせる優しい人。子供が自分の子だと気づく千代。詫びる義父。後ろ髪を引かれつつ、千代は元手代と一緒に去る。引っこみのところで、もう一度「唐人お吉」の演奏が。サービス満点。

<口上>
手術の傷が痛いとおっしゃりながらもたつみ節炸裂。カテーテルが入っているとのこと。「カテーテルにマケーテル」とのダジャレ。違和感がある上、痛み止めもあまり効いていないよう。医者とのやりとりもケッサク。手術室へ連れて行かれる時の様、手術台に乗って麻酔をかけられる時の様等、詳しく解説。「ボク、神経質なんで、麻酔かからんと思います」とか、グダグダ仰ったそう。でも次の瞬間、目が覚めていたとか。手術後は口に通した管を自分で抜いてしまったとのこと。ダメでしょ!きっと困らせる患者だったんだろう。ワガママで。「何をしてもいい」とお医者様が仰ったらしい。そこは「常識の範囲で」という意味でしょ。このやりとりを面白おかしく描写。ご自分は「何しろええ家の子」なんで、タイヘンなそう。笑っていいのやら、こちらも困ってしまう。口が達者で(ペラペラ喋るので)、あまり同情してもらえないと嘆いておられました。

明日(20日)、せっかくのお休みなのに、梅田呉服座での「梅田呉服座開設三周年」の座大に出られるの報告。主役の次郎長役なので、彼が抜けると他の配役を全て替えなくてはならないからだそう。責任感強すぎでしょ。今ネット検索したら、純弥さん、良太郎さん、春之丞さんという品格のある芸達者も出られるじゃないですか。喜んで代わってくださるのでは。色々「工夫」をして、できるだけ体への負担がないようにするとは仰っていました。行かないので、確認のしようがありませんけど。

休み明けの21日、「12時にはみんなで朝日に集合しましょ!」との、例のたつみ十八番のお誘いも。

23日は今度はダイヤさんが新開地にゲストで、「集客が心配」だそう。で?!たつみ演劇BOXの団扇(非売品だとか)進呈があるとのこと。「めっちゃ、ええ団扇」だとのことです。みなさん、朝日に集合してください。

今後の演目予定。
21日  男の花道
22日  小龍の七役
23日  生首源太
24日  安太郎しぐれ
25日  迷子札
26日  雨の高瀬舟
27日  遠山の金さん「たつみ誕生日公演」純弥さんゲスト


舞踊ショーの曲リスト。間違いあればご容赦。写真はたつみさんのもののみ。後日、また追加します。これもご容赦。

第一部
群舞  「自慢じゃないが女だよ」

みずき   「純情歌」

群舞   「大漁祭り」

第三部
群舞  「演歌の花道」

小龍   「不如帰」
これ、素敵でした。

ダイヤ   「最後の雨」、「勝手にしやがれ」

たつみ   「乱れ舞」

群舞  「都会の波止場 」

瞳太郎   「梅川」

たつみ   「竹とんぼ」
客席から登場。

ダイヤ   「女とお酒のブルース」、「酔い心」

京香   「カモメの街」

ラスト  百花繚乱  「万里の河」から。
久々に見る「万里の河」。衣装が以前とは違っっていますが、やっぱり素敵です。百花繚乱とは言いえて妙でした。

それにしても、今日の梅田での座大、大丈夫なんだろうか。せっかくのお休みなのに。この後、どうしても出られるなら、手抜きをしまくって下さい。ダイヤさん、小龍さん、瞳太郎さんという実力も華もある方たちがそろってんですから。若手も今回のことで、めっきり大人になられたような気がしました。彼らに任せてください。「忘れられるのが心配」なんておっしゃっていましたが、そんなことあるはずないでしょ!