yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

あの朝日劇場を舞台にしての『すりの家』たつみ演劇BOX@朝日劇場 5月6日昼の部

去年5月7日に朝日劇場でこの『すりの家』を初めて見て、感心しきりだったことを思い出す。当ブログにもアップしているので、リンクしておく。

そういえば朝日劇場だったんですね。去年のこの演目の日の舞台は。日も1日ずれてはいるものの、7日。こういうところにたつみさんの、朝日劇場への「思い入れ」のようなものを感じてしまった。昨日はこの劇場が閉じてから初めての観劇。私ですら懐旧の念に浸ってしまっていた。階段にある各月の劇団座長の写真まで同じ。何にも変わっていないよう、でも決定的に変わってしまった。大衆演劇の舞台が途絶えてしまった。これだけの設備を持った劇場、やっぱり「不憫」。どなたか丸ごと買取り、リノベーションをした上で新しい大衆演劇の劇場として立ち上げてくれないでしょうか。受付の方たちも以前の顔ぶれ。懐かしい。行き届いたサービス。こう書いてくると、悲しくなってしまう。

『すりの家』、庄吉役のたつみ座長、今回は山高帽を忘れずにかぶっての登場。鬘なしの頭で。スタイリッシュな髪型に、たつみさんの男前ぶりが一層引き立っていた。金縁メガネにピカピカの金の指輪、懐中時計。来ているのは大島の着物、上にはトンビコートという出で立ち。これだけでも笑ってしまう。外見は同じ、でもアドリブがほとんど違っていた。まあ、「ドンドン」、「指さし」(指輪のこと)、「ヨシカミのハヤシライス」っていうのは同じでしたけどね。アドリブの連発。でも前に見たときよりちょっと抑え気味。

おかしかったのは、花子さんの古着屋。たつみさん、冷たい汗をかかれたとか。以前は龍子さんで、そのうまさに唸ったけど、それと比べるのはちょっと酷かも。古着屋が背負った着物から、上の何枚かをくすねるというところはそのままで、笑い転げた。

たつみ庄吉が財布を擦りとった男を演じた宝良典さん、今回も名前は「木村拓哉」。警官役の新聞記者役の大蔵祥さんの名は「岡村隆史」。そして新聞記者役の嵐山瞳太郎さんの名は「桑田佳祐」!みんなやりたい放題。最後の万歳三唱が、そのカーニバル的カオスをより一層盛り上げる。

たつみさんの口上。いつもながらに楽しい。お父様ののぼるさんが長谷川伸ファンだったとは以前にも言及されていたけど、池波正太郎のファンでもあられたとか。これ初耳。嬉しい。当然といえば当然。池波は長谷川の弟子だったんですものね。作品に見られる「オシャレ感」が共通している。この口上、芝居の扮装のステテコに腹巻姿で。しかもそのあとチケット販売をされた。さすが私は写真撮る勇気なし。あの美しいたつみ座長とその写真とのギャップに困惑する人、続出だろうから。

この日は、アメリカの大学院にいた時の指導教授だったC先生とその夫君のフランクと三人での観劇。京都コンソーシアムで教鞭を1学期間教鞭を取られていたのだけど、今月末に本務校のペンシルベニア大学に戻られる。残念。

10日までの演目はたつみさんのブログにアップされているので、リンクしておく。劇場には今月の演目がアップされていた。写真を撮っておけばよかった。

7日 お富与三郎(いわゆる「切られの与三」)
8日 梅川忠兵衛
9日 石松裸喧嘩
10日 旅の末路

誕生日公演、昼・夜、内容替えで「遠山の金さん」を。恋川純弥さんがゲスト。