yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

オペラ『魔笛』@メトロポリタン歌劇場、2006年収録DVD版

やっと入手できたDVD版。やっぱり、すごい!こんな奇抜な演出を思いつくのは、さすがJulie Taymor。使用言語はドイツ語ではなく英語。

オペラ開始前に歌手たちが衣装に着替えてゆく。また舞台装置も次々に整えられてゆく。衣装も装置も奇想天外。メイキング映像も収録されている。衣装、装置いずれにもジュリーの日本体験がかなり活かされていたのでは。

まず衣装。タミーノの衣装、まるでスーパー歌舞伎の『ヤマトタケル』。化粧も歌舞伎を模して白塗り。目も歌舞伎調の隈取りを入れた化粧、黒の長髪鬘。パミーナの方は、化粧、衣装ともにそこまで日本風ではない。でもアメリカ人にとっては間違いなくエキゾティシズムを感じさせるもの。この歌手、名前から察せられるように中国系。一昨年、メトロポリタンで見た『蝶々夫人』の主役歌手も中国系だった。かなりきつめのというか、派手な化粧は、やっぱり異教的なところを強調した?

夜の女王もその点では同じ。衣装はあっとおどろく奇抜さ。凧を旗のように上下左右にいくつもはためかせながら登場。顔の周りには頭のかざりを支えるリングがしつらえてあった。これをつけて、あの「夜の女王のアリア」を歌うのはさぞ大変だったでしょう。でも瑕疵なく歌いきった。さすがMET歌手。

パパゲーノの衣装は従来のもの。鳥という設定なので、その点ではすでに奇想天外。従来のものより、化粧に工夫があった。この歌手、すばらしかった。

ザラストロの衣装も巨大な虫を思わせる異様さ。最初に登場したとき、客席から笑い声が。たしかにかなりヘン。でも愛嬌がある感じが、夜の女王の邪悪な感じと効果的に対比させられていた。

英語のサイト、「Mozart’s The Magic Flute」にリンクしておく。

Director:
Gary Halvorson
Writer:
J.D. McClatchy (libretto: English translation)

主たるキャスト
Matthew Polenzani
... Tamino, the Prince on a quest
Ying Huang
... Pamina, the Princess in distress
René Pape
... Sarastro, the mysterious high priest
Nathan Gunn
... Papageno, the unwillingly heroic bird-catcher
Erika Miklósa
... The Queen of the Night