yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

『里恋峠』劇団HIRYU@御所羅い舞座12月7日昼の部

お芝居、『里恋峠』、前に一度見ている。でも印象がかなり違っているのは、小寅丸さんのお父上の橘屋虎舞龍さんが加わっていたためかも。

プロットは「放蕩息子の帰還」に「仇討ち」を絡めたもの。このパターン、大衆演劇によくあります。ちょっと見には「悲劇」のはずが、そう行かないのが飛龍版。最後は放蕩息子が父の仇を討つという「カタルシス」でもって終焉するというお話。これは常套なのだけど、間に入る中風の親分と他の人物との掛け合いがドタバタ喜劇。飛龍版の比重はこちらにあるような。

ざっとしたあらましは以下。

更級一家の親分(小寅丸)の息子、三之介(春之介)は放蕩がやまず、ついに父から勘当され、「男修行の旅」に出る。その直後、親分は発作が起きて、中風になる。子分はみんな川向こうの親分(大輔)のところに移ってしまい、今では娘のお里(明日香)、妻のお滝(あさり)、それに代貸の松三(虎舞龍)のみが一家に残っている。ただ、頼りになるのは娘のお里のみ。

代貸の松三は更級一家に見切りをつけ、川向こうに移る決心をしている。縁切りの挨拶に親分のところにやって来た松三。ご子息の小寅丸さんが親分でお父上の虎舞龍さんが子分という「逆転」が、より話を複雑に(ケッタイに?)します。中風のため起き上がれない親分の小寅丸さん。代貸の松三に「起こしてくれ」、「手を貸してくれ」と頼む。それに対して、「何をエラソウに、勝手に起きやがれ」と宣う子分、虎舞龍。「俺は親分だぞ!」と喚く親分、小寅丸。ケッサクでした。

「宮崎にいた小さい頃から、誰がお前を育てたと思ってんだ」と、子の小寅丸さん。「それは俺がいうことだ」と父、虎舞龍さん。この逆転をいいことに、エラソウに命令する小寅丸氏。なかなか従わないお父上。ってな応酬が何度もあり、「やりにくいワ!」と小寅丸さん。オカシイ。場内、大盛り上がり!松三は遂に一家を出て行く。

妻のお滝が帰って来る。大分きこしめしている。義理の娘のお里に色々と無理難題を吹っかける。そこへ川向こうの親分が子分たち(大和、真央)、それに松三を引き連れてやって来る。真央さん、最近芝居がめきめき良くなっています。

川向こうは、三之介が出立前に借りて行った20両を返せと迫る。返せないというと、殴る、蹴るの狼藉。娘のお里を借金のかたに連れて行くという。必死でとめようとする更級親分。でも如何せん、中風のため思うように動けない。ここ、悲惨なはずが、実際はドタバタ喜劇。

そこに出てきた女房のお滝。川向こうに加勢。挙げ句の果てに捨て台詞を吐いて、川向こうについていってしまう。このときのあさりさんと小寅丸さんの応酬も大ケッサク。あさりさん、こういう憎たらしい女、ホントにお上手です。

去って行く大輔さんたちに、「返してくれよー!」と叫ぶ小寅丸さん。どさくさまぎれに松三に向かって「パパ!」。オカシイ。このあと、大輔さんが小寅丸さんを「楽屋落ち」でイジリ倒します。「中風」という設定の小寅丸さん、抵抗するにも抵抗できずにオキノドク。

川向こう一家が出て行ったあと、更級親分は襖に「うらむ 松三 お滝 お里を頼む」書き、自刃する。手が震えているので、口に筆を加えて書いたのだけど、これはあの歌舞伎の『葛の葉』の有名な場面と同じ趣向ですね。

一家にお里を連れて来た川向こう。お里を女郎屋に売るつもりにしている。お滝はちゃっかりと川向こうの女房に納まっている。

待ってました!更級の息子、三之介が男修行の旅から帰還。「腕も出来たし度胸もついた」と胸を叩く。家に入ると、父が倒れていて、襖には書き置きが。すべてを悟った三之介。復讐を誓う。

川向こう宅へ乗り込んだ三之介、一家のものを皆殺しにする。兄から父の死を聞いたお里、悲しみに暮れる。そのお里に「やくざはつくづくいやだ。これからは堅気になり、父の故郷の更級で二人して暮らそう」という。二人してこれから里恋峠を越えて行くことに。

明日香さん、前に観た折よりずっと上手くなっておられた。小寅丸、春之介コンビもそれぞれがニンにあった役で、ドタバタなのにしんみりとするところが多かった。

<舞踊ショー> 間違いあれば、ご容赦。
7分遅刻してしまったので、一部の前半部を逃した。

第一部
虎舞龍  「さちこ」
やっぱり光りもの。綺麗だった。

ラスト「男たちよ」群舞(春之介・大輔・あさり・真央)。
新作? 良かった。

第三部
群舞   「だめでもともと音頭」

小寅丸 立ち 「故郷 Blue Sky Homeland」

大輔 立ち 「銃爪」

春之介 女形 「飲んじゃって」

あさり 「未練酒」

大和 女形 「守ってあげたい」

春之介  女形  「命くれない
いつに益して色っぽかった。

虎舞龍  「花はただ咲く」
やっぱり電飾。ピエロ風のダンスがすてき。

あさり・大輔  「人生晴れたり曇ったり」

明日香  「恋舟」

春之介  「えじゃないか」
眠狂四郎風の出立ちで。爽やかで凛々しい。

小寅丸 女形  「星の流れに」
ブルーの着物で。息を詰めてみてしまうほど、色っぽい。

春之介 立ち 「ときめく胸に乾杯を」

飛龍  立ち 「白雲の城」

三之介 女形  「黒髪」
彼の女形は初めて。

ラスト「じょんがら女節」
春之介さんの早変わり付き。