yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

『メサイア』第36回ベガメサイア@宝塚ベガ・ホール12月6日

一昨年に同じホールで『メサイア』を聴いた。去年はこの時期、ベルリンだった。まさに「光陰矢の如し」(Time flies)。中学・高校とミッションスクールで過ごした記憶の片鱗は。私の中に抜き難く残っていて、12月にはキリスト教関係の行事、特にコンサートに足を運んでしまう。去年はカトリック夙川教会で、バッハの「クリスマスオラトリオ」の演奏を聴いている。

今日は2年ぶりの『メサイア』。良かった。ベガホールはかなり古いコンサートホールで、オラトリオを聴くにはあまり相応しくない。アコースティックスが悪いから。それは前回にも感じたけど、今度はもっと「まずい」と思った。宝塚市は財政難で、なかなか手が回らないのは分かるけど、もう少し何とかして欲しい。西宮の芸文センターと比べるのは酷なのかもしれないけど。

この悪い条件の中で、歌手の方たちは奮闘されていた。

指揮         中村健
ソプラノ       松岡万希
カウンターテノール  青木洋也
テノール       谷浩一郎
バリトン       萩原寛明
合唱         ベガメサイアを唄う会
演奏         テレマン室内オーケストラ

特に良かったのは前回もカウンターテナーを務められた青木洋也さん。女性のアルトよりずっと情感が籠った表現を可能にされていた。それと、ソプラノの松岡万希さん。高い部分も伸びやかな声で歌われた。とてもお綺麗な方で、それだけでも目の保養になる。指揮者は前回と同じく中村健氏。ちょっとはにかんだ感じで指揮されるのが可愛い。

大学生の時に、何を血迷ったか「聖歌隊」なるものに所属していたことがあり、夏の合宿で『メサイア』を練習させられた。他の隊員に「迷惑」をかけてしまうので、結局は夏を最後に辞めてしまったのだけど、それでも練習させられた曲は、それが断片であっても、どこか親しい感じがする。『メサイア』にはそれが溢れている。特に好きなのは第一部のコーラス、「And He shall purify, the sons of Levi」と第三部のソプラノ、「I know that my Redeemer liveth」。心にしみ渡る。そして記憶も。音楽が、他のメディアよりもずっと後に残ることの証左かもしれない。