yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

『煙草屋喜八』劇団HIRYU 御所羅い舞座12月3日昼の部

新作狂言ではなかったようだけど、私には初めてのお芝居。楽しかった。ざっとしたあらすじは以下。

一旦は堅気になっていた喜八(春之介)。仏の正兵衛といわれた父(三之介)が出入りで旅人、萩原重蔵(大輔)に殺されたところに行き逢わせ、復讐を誓う。今際の際に父が「けっして復讐なんぞするな、仮に戸板に飴を並べて売ろうとも、たこ焼きを売ろうとも(外では飛龍さんがたこ焼きを焼いています)」と諭したにもかかわらず。旅人は名を名乗り、三年先に喜八が仇討ちに来るのを待っていると約束する。

場が替わり、落合友蔵一家。親分(小寅丸)は桁外れの吝嗇。子分たち(大和、明日香、真央)がぼやいている。そこへ重蔵の妻、お信(あさり)が赤子を抱いて訪ねて来る。病に臥せっている夫のために、お金を貸してほしいという。驚いたことにケチの友蔵が5両も彼女に渡す。小寅丸さんのべろべろスケベぶり、おかしい。またものすごいおブサメイクにも笑えます。小寅丸さんに拍手!この手の役で今のところ彼の右に出る役者さん、いません。

親分の親切は見せかけ。子分たちにお信の後を追わせ、5両を奪い返させる。そこに通りかかった煙草売りの女(春之介)。お信を助け、事情を聞く。それは「鵜飼のイカサマ」だと腹を立てる。自分に任せろと胸を叩く。

再び落合友蔵宅。5両をもって帰った子分たち。一人1両づつもらえると思っていたのに、期待はずれ。いくらなんでもと、親分に文句を言う。「お前たち、だれのおかげで飯を食ってんだ、寝床があるんだ」と言う親分に、子分全員で、「近江飛龍のお蔭です」を連呼する子分たち。ここもオカシイ。

そこに煙草売りの女がやって来る。親分をその色気で籠絡する。メロメロの友蔵ならぬ小寅丸氏。女房になるということばをそっくり信じる。すぐに祝言だといって、奥に引っぱり込もうとする。女は妹を紹介するという。それはお信だった。お信に5両返させ、さらに5両上乗せさせる。喜んで帰ってゆくお信。それを見届けてから、自分も去ろうとする煙草売り。止める友蔵。

煙草売りが正体を顕す。実はあの喜八が女に化けていたのだった。ここでも弁天小僧のモチーフが活きています。子分が渡した煙草の包み(実はみかん箱)を後ろに放り投げ、カッコ良く去って行く。ここで子分たち全員が、みかん箱包みを後ろに放り投げる動作と決め台詞を言わされる羽目に。オカシイ。小寅丸さん、大和さんが手助け、明日香さん、真央さん、きちんと務められました。明日香さんが上手いのは予想通り。真央さんもとちりながらも、頑張っておられました。こういう「教育」、いいですね。客席も和みます。

腹の虫が治まらない友蔵。こちらには切り札があるといって、奥に「先生!」と声をかける。やっぱり?案の定!飛龍総長登場。なんと歌舞伎役者化粧で。「幸四郎?それとも吉右衛門?」って思っていたら、ご自身で「幸四郎」って。化粧、お上手でした。思わず「コーライヤ!」と叫んでしまった。

喜八と一家、そして先生ならぬ飛龍総長との立ち回り。ここでの飛龍さんの立ち回り、大衆演劇のそれではなく、歌舞伎のもの。春之介さん、小寅丸さんたち、いつもとはテンポの違う殺陣に困っておられた。最後には喜八が一家の者すべてを成敗する。

帰宅したお信。家の前で夫の重蔵が待っている。そこへ通りかかったのが(まだ)女の姿の喜八。重蔵を見て、父の仇だと認識する。必死で止めるお信の手を振り切って、刀を振り上げる喜八。だがお信の抱いている赤子が笑う顔を見て振り下ろすことができない。仇討ちの虚しさを悟り、「敵討の走馬灯」を断ち切ると決心する。

小寅丸さんは文句なしにピカイチ。喜劇、悲劇、なんでもござれ。すごい役者さんです。でもそんな風にみえないところがいいんですよね。気張らない、あのふんわり、ほんわか感が。「癒し」です。

そして座長、春之介さん。今日は今までの中で最も艶のある演技だった。艶っぽさが身体から滲み出ていた。どこから見ても、ちゃきちゃきの綺麗な女にしか見えなかった。座長になると色香が出るっていうの、本当ですね。

舞踊ショーの写真は別にアップ。