yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

『小豆島』たつみ演劇BOX@京橋羅い舞座10月28日夜の部

「たつみ演劇BOX」の小泉たつみ座長、先月と今月は獅子奮迅の奮闘ぶり。身体的にもそうだろうけど、知的にも。演目一覧でそれがよく分かる。先月の新開地劇場での演目と今月の京橋羅い舞座でのそれとは、できるだけ重ならないように工夫されていた。だから他の劇団のように、「またこれか」と思わせることがとても少なかった。もちろん何度みてもその都度新しい工夫が施されていればいいのだけど、稽古量が圧倒的に少ないのに甘んじざるを得ない旅芝居の「哀しさ」、そういう劇団は少ない。その中でのこの奮闘。「すごい!」のひとことである。

新しいお芝居も立てられていたし、先代、先々代からの劇団の「持ち狂言」を意匠を新しくしての上演もいくつもあったりして、新しい「ステージ」、グレードアップに向けての意志表示が非常に明確に打ち出されていたように思う。完成度がみる度に高くなっているのに、その都度感じ入った。当然観客動員数にそれは反映。新開地でもそうだったけど、今回の京橋公演は去年を凌ぐものになるはず。それは結果であって、たつみ座長の「目標」ではなかったでしょうけど。結果がついてきたということですね。

『小豆島』は「たつみ演劇BOX」十八番の喜劇の中の一つ。ダイヤさんが主役のはずなのに、ワキのたつみさんがしゃべるはしゃべるは!いつものパターン。終始笑い転げてしまっていた。「古い芝居です」と、口上でたつみ座長がおっしゃっていたところをみると、嵐劇団の頃からの持ち狂言だろう。たつみさんが演じた役はお父様ののぼるさんが演じられていたという。お父様の芝居を観ていないので断言できないけど、きっとコメディをも得意とされていたんだろう。たつみさんが最近おっしゃるのが、「自分でも(路線が)分からなくなって来ています」。「二枚目路線」から外れたということであれば、それはそのままお父様の後を継がれていることになる?

芝居の舞台は小豆島。東京の医大に行った網元の息子(瞳太郎)がめでたく医者になって小豆島に帰ってきた。小豆島に病院を建て、地域医療に貢献するという。息子には彼が産まれる前から父親が決めていた許嫁(花)がいた。その許嫁の父と網元(たつみ)が親しくて、互いの子供たちを一緒にさせるという約束があった。

ただ、その許嫁というのが器量良しではなく、知恵も足らない。また両親が早く亡くなっているので、網元の下で働く兄が父代わりで育てたのだけど、家は貧しさの極地。思いあまった兄(ダイヤ)は、縁談が不釣り合いということで、網元に断わりに行く。策を練り、網元と二人で芝居をし、それで網元の息子に縁談を諦めさせるという寸法。浜辺という設定になっているこの場でのたつみさんとダイヤさんの掛け合いが笑わせます。みる度に細部が変わっているので、アドリブ部が多いのかも。

帰宅した息子とそれをよろこぶ父の網元。そこへ許嫁とその兄が祝いにとぼた餅を持って訪れる。息子は親の決めた許嫁を娶ることに意義がない様子。むしろ喜んでいる。許嫁にプレゼントまで持って帰ってきている。ここでもたつみさん、大活躍。ことば遊びが、小泉版『すりの家』長谷川伸原作)を思わせます。こういうことばのゲームにかけては、たつみさんを超える人はなかなかいない。頭の回転がきわめて速い。脱帽。観客だけでなく、その場にいる役者さんたちまでもときとして唖然。思わず笑ってしまう。

網元vs.息子の許嫁の兄との苦肉の芝居。なんとか縁談を破談にしようという目論見はみごとに外れる。息子は、「許嫁と一緒になるために、父と訣別する」とまで言い切る。許嫁の兄はこれが芝居だったと明かす。

ここからが、いかにも大衆演劇的大団円。兄が手みやげに持ってきたぼた餅の箱を明けると、そこには大枚三百円(現在の価値で三百万円?)の札束が。それは彼が妹のためにと身を粉にして働き、こつこつ貯めたものだった。感動する網元。その息子と許嫁はめでたく結ばれることになる。

たつみさんの口上がこれまたケッサク。下に写真を。

芝居の化粧のままで登場した座長。えらく深刻な感じ、沈んだ調子で話し始める。なんでも明日からの観客数が心配なんだとか。「明日、今月で最も良い芝居をするのに、人が来てくれないんじゃないかしら」と、えらく心配げ。その手には乗らなーい。いつものたつみ節ですものね。「とりあえず明日の12時に、劇場に集合(!)して相談しましょ」っていうオチが付くんですから。明日が一番良い芝居なら、今までのはいったいナニよ?ですものね。

こんな落語家も顔負けの「たつみ口上」もしばらく聞けなくなる。次に関西に乗るのは来年の3月の高槻千鳥劇場。その後は5月の朝日劇場、10月の新開地劇場となる。それにしても2017年3月まで公演先がすでに決まっているって、すごい!

来年は愛飢男さんも復帰されるだろう。楽しみにしている。彼がボケ役でおられることで、コメディの魅力が倍増されること、間違いないから。そういえば先月、今月で見逃したか上演されなかった喜劇がいくつかあって、残念。いちばん残念なのは『稲荷札』が観れなかったこと。『静岡土産』は愛さんがおられた方がいいし。『六連発』も『法界坊』も観れなかった。明日千秋楽は『生き返った幽霊』だけど、行けない。ということで、唯一観れたのは、『友情断片録』のみ。来年にリベンジを。

以下舞踊ショーの写真です。曲名、まちがいあればご容赦。

第一部
遅れて中途から。曲名分からず。

第三部
ダイヤさん中心に群舞 「清水次郎長

ライト  「Share the World」

ダイヤ  歌

たつみ  [お江戸の色女」

ダイヤ  「昴」
これ、ダイヤさんの十八番舞踊の中で最も好きなものの一つ。本振袖で踊られ、アンドロジナス的な魅力全開!

たつみ・瞳太郎  「恋は火の舞剣の舞」
意外や意外の組み合わせ。新鮮でした。

満月・花 「権三と助十」?

小龍   「おもいで酒」

瞳太郎   「くらやみ橋から」

たつみ+群舞  「望郷じょんがら」

ダイヤ   「シングル・アゲイン」

たつみ  「河内遊侠伝」

きょうか  「越後絶唱」

ラスト   「歌麿」、「惚れ神」