yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

『新近松物語(おさん茂兵衛)』第二回ダイヤDAYたつみ演劇BOX@新開地劇場 9月26日夜の部

午後3時から始まり5時半に終わった『夜への長い旅路』のあと移動したので、かなり遅刻。もうお芝居は始まっていた。タイトルをきちんと聞いていないので間違っているかも。ひょっとしたら映画版タイトル『近松物語』を採っていた?

劇場に入った途端、「大経師」の文字が目に飛び込んできた。あの重くも長いオニール作品のあとで、またこの悲劇かと、ちょっとひるんでしまった。

通称『おさん茂兵衛』は、もちろん近松門左衛門の『大経師昔暦』。これをダイヤDAYに持って来るなんて、ダイヤさん、意欲的!しかもこの演目、初めて舞台に乗せたのだという。稽古時間もほとんど取れなかったというのに、ここまでのレベルに仕上げられたのはさすが。1時間ちょっとに納めるのに、かなり苦労されただろう。泣く泣く端折らなくてはならない場面もあっただろう。

端折るとリーズニングに問題が出る。それを逆手にとって、タブロー的美を前面に押し出したのが成功のもとだったと思う。悲劇を悲劇としての「様式美」でみせるということに、徹底的にこだわった舞台だった。各場にハイライトになるシーンがタブローとして演出されていた。いわゆる「決め」の形。きれいだった。

こういう風に演出できるのもダイヤさん、小龍さんお二方が「美しい」から。ダイヤさん、姿が、物腰が、もちろんお顔が非のうちどころがないほど美しい。溜息が出るほど。まずそれだけで、舞台は成功したようなもの。絡む小龍さんも秘めた思いから迸り出るエロスをみごとに具現化しておられた。

『小泉版三人吉三』でもそうだったけど、こちらも歌舞伎の古典をいかに大衆演劇風にかみくだいて、現代の観客のテイストに合うように「カスタマイズ」するかに苦心されたあとがみえた。ここがいちばんスゴイところ。歌舞伎版をそのまま舞台に上げても、今の観客はアプリシエイトしない。でもあまりにもくだけさせると、古典のもつ深みが薄まる。その調整、バランスの取り方が難しい。たつみさんのところはこれがみごと。もう5年以上前に観た『切られのお富』にも、それは鮮明に打ち出されていた。その点で今までに観てきた大衆演劇の中では、他と比べるべくもなく、文句なしの頂点。大衆演劇の奥の深さを感じさせられる劇団さん。この演目を観れてラッキーだった。今後も続けて上演してもらいたいです。『三人吉三』のように「封印する」なんておっしゃらずに。

はかなくも美しい心中の(天上)世界を描きながら、ここに一点、観客を地に引き戻す演出が。憎たらしい院の経師役の瞳太郎さん、大経師以春に向かって「わての女房はおさんさんとちごおて、ええ女房でっせ」。そこに「女房」として登場したのは瞳太郎さんのお母上の(まだ十分にそれらしくみえられる色っぽい)京香さん!ここで場内がどっとわきました。しかもさっそうと花道をひっこむ院の経師のあとに、丁稚(ライト)にしなだれかかる女房の姿が。笑えました。この演出、みごと!

舞踊ショー、カメラを持ってこなかったのを後悔。この日のダイヤさん、いつもより70パーセント以上ハジケておられたから。

とりあえず曲名のみ。間違いあればご容赦。

ダイヤ・女性陣  「東京ドンピカ」
全員キンキラキンの赤着物で。こっけいでノリノリ。

京香  立ち  「涙唱」
京香さんの立ちは珍しい。

ダイヤ  女形  「無言坂」
どこからみても絵になっていた。とくに横、斜めからの身体の曲線。

小龍   小唄調の曲から「誰か故郷を思わざる」へ

ダイヤ  女形 「あなたに恋をしてみました」
光沢のある淡い藤色着物。こちらもキンキラキン。

たつみ 女形 「乱れ髪」、「嘘だといって」
いつもながらにクラッシックなビューティ。

ライト  「Storm Riders」

宝 「花と竜」

ダイヤ・花・満月  「人生かくれんぼ」

瞳太郎  女形 「大川流し」
ひばりさんの歌声に負けないほど艶っぽかった!お芝居といい、最近の瞳太郎さん、一皮むけられたよう。

ダイヤ  立ち 「冬桜」
ポニーテールの金髪 に黒着物で。姿が何ともイイ!絵になる。

たつみ  立ち 「一本釣り」
みなさんと一緒に釣られました。

ダイヤ  立ち  「Sorato Kimino Aidani」
ブルーの透けるガウン。金髪長髪で。これまたなみなみならない気を感じました。

たつみ  歌  「恋歌綴り」

ラスト:フライングゲット
「ルパン愛のテーマ」
キンキラキンのオンパレード。でもさすが小泉。品が良い!

蛇足になるかもしれないけど、やっぱり付け加えておきたいのはたつみさんの口上。いつもながらおかしい。まるで落語。私の後席の方、たつみさんのところは初めてとみえて、たつみさんがチケット販売で回ってこられたとき彼に向かって、「ほんとに楽しい。いつもこんなにおかしいんですか?」。そう、いつもこんなんですよ。

やっとタイトルが判明したので、訂正しておく。『新近松物語』だった。