yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

羽生結弦選手のバルセロナ・グランプリファイナルFS「オペラ座の怪人」

2014年12月12日から13日までのこの大会、羽生結弦選手は優勝した!

中国での怪我から一ヶ月後のこの大会。心配したファンが多かっただろう。まだ羽生結弦選手ファンでも何でもなかった私は、ベルリン旅行中だった。それで良かったかも。ファンだったら心配で心臓が止まっていたかもしれないから。ドイツ語の解説youtubeにアップされている。

演技に使われているミュージカル、「オペラ座の怪人」の箇所がyoutubeにアップされていた。NV06119さんの投稿。付いているキャプションからかなりの英語の使い手と判る。ありがとうございます!

さて、該当箇所。ソチのフリーで演技した「ロミオとジュリエット」と雰囲気が似ているのは、二つがヨーロッパを出自とするからだろう。悲恋ものであるという点も共通している。「ロミオとジュリエット」が悲恋は悲恋でも叶う恋をテーマにしているのに対し、「オペラ座の怪人」はもっと、もっと深刻な内容。醜い容貌を仮面で隠し、主人公のクリスティーヌに彼女がプリマになるのに力を貸した怪人。でも最終結果はクリスティーヌの裏切りという悲劇だった。どれほど哀しかったか!仮面の下の怪人の顔をみたとたん、彼女は逃げ出したのだから。悲劇を内包しながらも、最初はあくまでも求婚の甘い、ロマンティックな調べが続く。それを目一杯演技。

会場いっぱいの手拍子が響く中、彼はこのストーリーを愛おしむかのような優しい滑走を魅せた。それは甘いだけではなく、甘美さの中に哀しみを予兆させる怪人の「語り」に寄り添ったものだった。甘さの中に激しさがあるのはショートプログラムの「バラード」と同じ。でもこちらはストーリーがあるため、その激しい哀しみがより際立たされる。それを以前にも増して凝った組み合わせの身体のひねりで表現する羽生結弦選手。絶妙!収斂部に向けてのよりインテンシブな表現。下から上へと伸びるスピンとともにクライマックスを迎える。これをみると、形のないものが形になってこちらに迫ってくるような、そんな錯覚さえ覚える。

振付師のシェイ=リーン・ボーンさんによると、この曲は羽生結弦選手自身の強い希望で選ばれた。「中学生の時から好きな曲で思い入れが強い。僕なりのファントム(主人公の怪人)を見てもらいたい」と言ったのだという。さらに「自分には重さ(weight)があることを見せたい」と言ってきたのだそう。シェイ=リーンはそれを、今までの軽やかなものとは違った振りで演技したいと解釈した。ただ、彼のいうところの「重さ」は、私が想像するにセンシュアリティでは? 少年から青年への「脱皮」というかイニシエーションのまっただ中にあり、自分の立ち位置を獲得するための演技を実現したいということではないか。でもやっぱり、イノセントな、そして少年のゆづ。みんなこれにやられるんでしょうね。