yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

羽生結弦さんの「パリの散歩道」

Yuzu addictになってしまいそう(というかすでに罹病)で、かなり重傷と思いつつ、やっぱり日に一度は彼の動画を観ないではおれない。

羽生結弦さんがここ数年コンペのショートで選択してきたのがこの「パリの散歩道」。『覚醒の時』に入っているコーチのブライアン・オーサー氏談によると、羽生結弦さん自身がこの曲を好きだということで、オリンピックにもこれで勝負することにしたという。

この選択、大正解。というのも、この曲はパリジャンが作曲したのではなく、アイルランド出身のゲリー・ムアーの作詞/作曲のものだから。パリ的なオシャレ度満開の軽い曲というより、パリにやってきた異邦人の孤独と醒めた目を感じる。羽生結弦さんがカナダのオーサー・コーチのもとで初めての海外体験をしたその体験とも被る。今まで属してきたコミュニティとは異質の社会に放り出されたとき、ひとは戸惑いながらも、なんとかアジャストしようとするだろう。そしてその体験を形にしようとするだろう。異文化に向き合わざるを得なくなったとき、一旦、それを自身の中に取り込み、次に取り込んだものを今までの体験の歴史の文脈に読み直してアウトプットする。それがこの「パリの散歩道」となって結実したのだろうと思う。

これまた異文化からきた羽生結弦さんが、この曲にある種の親近感を抱いたのはよく理解できる。彼が「言葉が通じない」(彼はすぐに英語に慣れたようですが)環境の中で、なんとか自分の立ち位置を獲得し、逆にそれを武器にして行く。しかもそれが日本に閉じ籠っていては経験できなかったことなのが重要。彼は射手座だから、もともと外国には強い縁があるんですけどね。

この曲の振付けはジェフリー・バトルさん。今までの羽生選手の演技になかったモダンなもの。セクシー系。それがまたステキだった!「への字」のポーズ。この技は「ランジ」という技の変形だそう。あの挑戦的な手の動き、ワクワクします。ウェッブからの写真を以下に。この時のシャツの色から、2012年のもの。

彼の「パリの散歩道」の演技。ノーミスのすばらしい演技を(みなさんがご承知なのを「承知で」)列挙してみる。但しyoutubeでみれるもののみで、youtubeにリンクしている。

(1)全日本フィギュア ショート 羽生結弦の歴代最高の演技 2012年12月21日

ここでは黒っぽいシャツで。97.68点という歴代最高点を出した。オーサー・コーチのもつくまのプーさんがカワイイ!

(2)【最終選考会で驚異のSP103.10点】 羽生結弦 SP Yuzuru Hanyu 201312/21 羽生結弦 全日本フィギュアSP

(3)羽生結弦 - ソチ ドキュメンタリー Yuzuru Hanyu Documentary 2014

上の(3)はフィギュアで世代交代が確実に起きたことを示す歴史的なオリンピックだった。幼い頃から目標としてきたプルシェンコと同じリンクで滑って、うれしそうな結弦さん。

ショートでは歴代最高点の101.45点をマーク!とくにここでの「イナバウワー」、そしていろいろなスピン。とくに最後のビールマンスピン(?)は感涙ものだった。ただショートは完璧だったけど、フリーでは最初の二度のジャンプに失敗。羽生結弦さん、後でこの動画を観ながら、「あとほとんど記憶がない。体力のすべてを出し切った」とコメント。泣ける。

ソチで羽生選手に破れたプルシェンコ選手。それでもさすがにかっての世界王者。羽生選手に的確かつ温かいメッセージを発していた。二回ジャンプを失敗して、そしてそれをみごとに切り返した羽生を高く評価。自信が出来ただろうと推察している。そして、極めつけのメッセージが。曰く、「もっと高みを目指して欲しい」。