yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

松竹創業120周年記念「新春浅草歌舞伎」@浅草公会堂 1月2日

出演の若手七人、「浅草セブン」というらしい。とにかく良かった!昼・夜と観たのだが、今年の「浅草歌舞伎」はここ数年の中では最も良かった。若手ばかりで期待はあまりしていなかったのが、うれしい「肩すかし」。昭和60年生まれの松也が最年長。平成元年生まれの歌昇、巳之助。そして平成5年生まれの種之助、米吉、隼人、児太郎(生まれ月順)と続く。

そういえば、この浅草公会堂で何年か前に大衆演劇の「浅草七人衆」とやらの公演があったはず。九州系大衆演劇の若手座長を集めてのものだったけど、観ていない。去年暴力事件を起こしたN劇団の座長も入っていたっけ。言い出しっぺ(?)のT劇団の若座長Dと親戚で親友のN劇団のRを中心にした九州の大衆演劇劇団の若い座長達が中心になっていたはず。九州の劇団がそもそも「浅草七人衆」とはおこがましいにも程があるでしょ。なんといっても、大衆演劇役者の矜持はどこに行ったんですか。浅草ではなく、大阪と浜松でこの集団の座長大会を何度かみているけど、いつもがっかりだった。だからといって、父親たちがそれよりよかったというわけではありません。念のため。チープな狎れ合い大会に終始していた。あれでケッコウ入場料をふんだくっていたから、驚き。東京の人にあの九州のレベルが大衆演劇だと思われていたとしたら、腹立たしい。

この「新春浅草歌舞伎」、チケット代はきわめてリーズナブル。そして芸の質は比べるべくもなく高い。文字通り名実伴った「江戸役者」の若手七人がそろい踏み。ここしばらく花形歌舞伎であれ、大歌舞伎であれ、若手役者の台頭を心強く思ってきていた。大御所、中堅の中に混じると、彼らのもつパワ―は発揮できていないように感じていた。だから松竹が若手ばかりのこの公演をプロデュ―スした英断をまず褒めたい(エラソウにスミマセン)。

彼らが選んだ演目もいわゆる古典が多かったので、どうなることか、ボロがいっぱいでるんじゃないかと危惧したけど、杞憂だった。というより、逆に大先輩たちのものより新鮮、メリハリがしっかりついていたので、退屈しなかった。先月の愛之助座頭の『義賢最期』にはかなり退屈したので、これは意外だった。若い人が演出をすると、こういう勢いのあるものになるんだと納得。これだと歌舞伎の初心者でも取っ付き易いだろう。若い人ならとくにそうだろう。それが歌舞伎の裾野を広げることになるんだから、これからもこういう試みを(役者単独の「自主公演」ではなく)続けて欲しい。この七人、間違いなくあたらしい歌舞伎の可能性を切り拓いたんだと思う。七人全員が例外なく安定した演技を魅せてくれた。それも大御所、中堅の「安定」とは違い、随所にはっとするような新鮮さがあった。それにやっぱり歌舞伎役者。身体ができているし、声もいい。大御所、中堅の間では目立つことのなかったそういう美点が、今回の公演では誰憚ることなく発揮できたんでしょうね。

恒例の開始前の口上も楽しかった。毎日日替わり。2日は昼の部では歌昇、巳之助が、夜の部では種之助、米吉が務めた。彼らの素の顔が垣間みれて、ホントよかった。

彼らが異口同音に口にしたのが、観客数への懸念だった。歌舞伎座新橋演舞場、そして国立劇場と、今月はライバルが多すぎる。チケット予約数も、それら他公演に比べると若干少なめだったのでは。一等席が九千円。だからコスパは最高。行こうかどうか迷っておられる方がいたら、ぜひにと薦めたい。3日に再会したオケピご縁の方(彼女は新橋演舞場海老蔵を観に来ておられたのだが)も、「それなら行ってみようかな」と仰っていた。

以下、「歌舞伎美人」サイトに載っていた公演のポスターチラシ。これはあまりいただけないかも。ちょっと引いてしまった。でも旧い歌舞伎と差別化したいという意気込みは分かります。