yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

オペラ『死者の家より』 Aus einem Totenhaus (From the House of the Dead) @シラー劇場、ベルリン、12月10日

ヤナーチェク作のこのオペラ、救いようがなく暗かった。ヤナーチェクって、チェコ人だったんですね。わが無知が恥ずかしい。プラハには2度も行っているのに、しかも今のところヨーロッパで一番好きな都市なのに。彼はユダヤ人ではないようだけど、カフカに通じる暗さが全編を覆っていた。それも黙示録的とでもいうべき暗さ。でもそこには一条の光明が。最後に主人公の政治犯の囚人が「解放」されるところに希望が託されている。とはいうものの、全体としてナチスドイツのそして旧ソ連のおそるべき非人道的暴力を予見していたとしか思えないほどの、底知れない暗さ。人が人としてあるために当然もっているであろう倫理感といったものが、きわめてあやふやなものであることを暴き出している。これがオペラとして成立していること自体、奇跡かも。第一、場面は終始監獄なんですよ。オペラの衣裳の華やかさを期待していったら、がっかりするだろう。ずっと囚人服なんですからね。

チケットは50ユーロだった。厚かましくも劇場、平土間の前から8列目に座っていたら、年配の紳士が「私の席です」と仰る。私の席は2階席だった。まったく!恥ずかしかった。こういうとき、ドイツ人はホントにマナーが良い。日本のマナーの悪い(しかもたいていはugly)中高年男性たちとは異星人くらいの差。私が間違って座っていた席、200ユーロの席だった。

指揮はもちろん!サイモン・ラトル。ベルリンフィルに行く必要なし?今日はこちらだったんですね。カーテンコールが3度もあった。こんな地味なオペラなのに。

帰りにまたもやトラブルが。地下鉄の駅に行くと休止中のサイン。観客仲間(?)の人たちがぞろぞろと地上に上がっていったので、私もあとをついて行くとバス停が。そこからバスでS線の乗継駅までゆき、無事中央駅にたどり着いた。フィラデルフィアではおなじみの地下鉄サービスの停止だけど(何度怒り狂ったことか!)、ドイツでもあるんですね。バスを待っている間、帽子をかぶってこなかったことを後悔。凍える一歩手前でなんとかホテルまで帰り着いた。