yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

『悪太郎』七月大歌舞伎@歌舞伎座7月13日第二部

以下が松竹サイトからの「配役」と「みどころ」

『猿翁十種の内 悪太郎」

<配役>  
悪太郎     市川右近
修行者智蓮坊  猿弥
太郎冠者     弘太郎
伯父安木松之丞 亀鶴

<みどころ>
憎めない無邪気な男を描く軽快な舞踊劇
 大酒飲みで酒癖の悪い悪太郎は、今日も酒に酔って足元がおぼつかない様子。伯父の安木松之丞も困り果てています。悪太郎は酔った勢いで、通りがかりの修行僧智蓮坊にからみ、修行の話を所望したり、自分の薙刀の話を聞かせたりと勝手な振舞ばかりです。何度意見しても聞く耳を持たぬ悪太郎に対し、松之丞は一計を案じ…。
 狂言を素材にしたユーモアと大らかな雰囲気に包まれた作品です。愛嬌あふれる悪太郎が繰り広げる舞踊劇をお楽しみください。

2011年に大阪松竹座で観て、このブログ記事にもアップしている。

「悪」というのは “evil” ということではなく、「やんちゃ」位の意味。事実、この悪太郎君、まったく悪気はない。だから彼の絡みにさんざん手こずった智蓮坊も彼の仕掛けるいろいろな悪戯にのるのだ。このかわいげのある悪太郎を演じる右近、完全に自分のものにしていた。先月、病気休演があったようで、かなり心配したけれど、元気いっぱいだった。

伯父の松之丞を演じた亀鶴もよかった。右近よりも歳が大分若いので、やりにくかっただろうけど、そこは「松葉目物」。型をきちんととりさえすれば、年齢は関係ない。でも威厳をつくろっているところに、その役との隙間がある感じて、なんとなくおかしかった。右近のが精一杯のおかしみだとすれば、こちらは余裕ありのおかしみだった。亀鶴は上方出身の初代鴈治郎、四代目富十郎の孫にあたるわけで、どのような役をするにも、独特の「わらい」の要素が入るように思う。好きな役者さん。

そういや、市川右近も大阪出身で、この二人が組んでのこの舞踊劇がおもしろくないはずがない。

智蓮坊の猿弥さんも好きな役者さん。なにをやらせても「猿弥ここにあり」の存在感。今月の大歌舞伎でもきめどころ、きめどころで大活躍だった。