yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

ミラノのブレラ絵画館(The Pinacoteca di Brera) 3月11日

『地球の歩き方』では地下鉄のMonte Napoleone 駅が近いとあったのだけど、ホテルへ帰ってから英語サイトでみるとLanzaが最寄駅になっていた。Monte Napoleone駅からはかなり迷ったので、Lanzaの方がいいかも知れない。以下、私のとった下手な写真。絵画館の中庭。それと正面玄関。

先日のGAM (近代)美術館でもそうだったのだが、コレクションの数に圧倒された。こんなの、一日では到底無理。15世紀から20世紀までのコレクションだが、ほとんどが16、17世紀のもの。どの絵も良く似ているので、見終ってから何がなんだったのか、思い出すのも大変。アメリカの美術館も中世のコレクションをかなりもっているけれど、それもあとであそこにあれがあったと思い出せるのに、今回はぜんぜん歯が立たない。イタリア絵画の層の厚みを思い知らされた。

ほとんどが宗教画。それもキリスト誕生と受難をあつかったものが多かった。中学、高校の6年間をミッションスクールで過ごしたとはいえ、クリスチャンになりそこねたわが身としては、これだけの絵を見ても敬虔な思いにかられることはなかった。カトリック教徒が大部分であろうイタリア人にとっては、きっと重い意味があるんでしょうね。観光客は比較的少なく、いてもイタリア人と思われる人がほとんど。その他は小学生の団体客。どの人も熱心に見入っていた。

とはいうものの、これだけイエスにまつわる絵がそろっていると、それらのエネルギーが迫ってくるのも事実。しんどい。描いた画家の思いがこめられていて、それが迫ってくるのだろう。先日のGAM美術館では保存の仕方にちょっと驚いたが、ここでは専属の修復スタッフがいて、補修に当たっているようである。ガラスばりのスチューディオでその様を見せてくれている。修復師は若いきれいな女性だった。人の目を気にせず、熱心に仕事をしていた。でも絵のパワーを全身に浴びつつ、それを「修復」するなんて、大変な仕事ですよね。

英語のWikiサイトに代表作が載っている。もちろんどれもすばらしかったのだが、私が一番良いと思ったのは一枚だけあったカラヴァッジオの「Supper at Emmaus」。この暗さはまさにカラヴァッジオ。

それとあまりにも有名なベリーニ(Giovanni Bellini)の「Pietà ピエタ」。

宗教画が圧倒的な数を誇る中、それ以外のものに面白いものがあった。Wikiの紹介の中にはなかったのだが、Vincenzo Campi の「Kitchen」(c. 1580-1585)。同時期のオランダ、フランドル派の風俗画に共通するものを感じた。英語サイトでCampiを検索すると、イタリアでは当時彼のような世俗を題材にした絵を描く画家はめずらしかったそう。この「Kitchen」の中の人物たちの実にイキイキしていること。絵からはみでそう。宗教画にはあきあきしても、これなら何十分も見ていられる。

3時間近くいたのだが、人が少なく、疲れたらソファ、椅子で休めるので、疲れた感じはしなかった。