yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

県民芸術劇場 第33回「ベガメサイア」@宝塚ベガ・ホール12月16日

ヘンデルの『メサイア』を聴くのは久しぶり。最後に聞いたのが震災前の神戸国際会館だったように記憶しているので、かれこれ20年近くになるかもしれない。中学・高校がミッションスクールだったので、中高時代はほぼ毎年聴いていたものである。年末恒例の合唱曲になっているベートーベンの『第九』も何年かに一回は聴きに出かけるけど、やっぱり『メサイア』の方が年の終わりを締めるに相応しい気がする。心が柔軟な時期に受けたキリスト教教育を改めて思い起こさざるを得ない時期でもある。結局はクリスチャンにはならなかったのだけど。

三部構成になっている。第一部は「救世主」キリスト(メサイア)が処女から誕生するという予言者イザヤの予言に始まるキリストの誕生前から誕生、そしてその活動について。第二部はキリストの受難、死、復活、そして昇天を物語る。最後の第三部は、聖徒パウロによるイエスの復活と天での栄光が説かれる。つまりこの『メアイア』という曲は「オラトリオ」形式でキリスト誕生と復活、昇天の物語なのだ。バッハのオラトリオなどと同じく、衣装ぬきのオペラの宗教版といえるかもしれない。

演奏会の「役者」たちは以下。

指揮  中村 健(神戸女学院 音楽学部教授)

ソリスト 
津山和代(ソプラノ) 
青木洋也(カウンターテノール) 
中塚昌昭(テノール) 
篠部信宏(バス・バリトン)

合唱 ベガメサイアを唱う会
    宝塚少年少女合唱団

今まで聴いたことのある『メサイア』でアルトパートをカウンターテナーの歌手が歌うことはなかった。この青木洋也さんという方、とても美しい高い声の持ち主で、歌いかたもドラマティックでよかった。バリトンの方も深く響く声が印象的だった。テナーとソプラノの歌手の方はちょっと地味目だったかもしれない。もともオペラではなくオラトリオなので、その辺りは計算してのことだったかもしれない。

すっかりいい気分になった。とくにコーラスの一曲目と二曲目が聞こえて来た時は、懐かしさでおもわず泪してしまった。一曲目は”And the glory, glory of the Lord”。 二曲目は”And He shall purify”。

このコンサート、問題がないこともなかった。英語で歌われる歌詞が今ひとつクリアでなかったこと。発音指導がしっかりされていなかったのかもしれない。