yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

ニコライ二世の悲劇を描いたバレエ『眠れる森の美女』「皇帝最後の娘」@プラハ国立歌劇場 3月20日

Sleeping Beautyとなっていたので、てっきり例の童話だと思っていたら、実際は副題の方、"The Czar’s Last Daughter"が大きな意味を持っていた。Yuri Vámosという振付師により、このおなじみの童話の新解釈が示されたのだというのだ。それもロシア帝国最後の皇帝、ニコライ2世一家の悲劇を絡ませて。Staging teamhaは以下である。

Conductor: P. Šnajdr
Choreography: Y. Vámos
Stage director: Y. Vámos
Libreto: Y. Vámos

あと、キャストは以下である。

Czar: P. Jirsa
Czarina: P. Ďumbalová, M. Hybešová
Anastasia: R. King, as a guest, M. Ogimoto
Anastasia as a child: B. Fojtíková, M. Do Ha
Olga: I. Zahradníková, P. Nálevková
Olga as a child: R. Slatinská, H. Chavarot
Tatyana: M. Ogimoto, K. Madejová, A. Nanu
Tatyana as a child: V. Telnarová, P. Nálevková, P. Horká
Maria: Z. Hvízdalová, A. Nanu
Maria as a child: D. Lazucova, I. Burduja, A. Veverková
Alexei: V. Burlac, S. Gherciu
Alexei as a child: M. Kasík, A. Zdráhal
Stranger: A. Afanassiev, as a guest, F. Veverka, as a guest
Rasputin: M. Boček, S. King, A. Afanassiev, as a guest
Cats: D. Lazucova, K. Madejová, R. Slatinská, M. Boček, B. Husson
Russian dance: V. Burlac, S. Gherciu, R. Hlinka, J. Kolva
Three nobles: V. Kocian, M. Gebauer, Y. Lisovyk, J. Slypyč, M. Dinuš
Blue bird: V. Telnarová, I. Burduja, H. Chavarot, K. Umemoto, S. Gherciu, V. Burlac, R. Hlinka

幕が開き、そこは暗い暗幕。上の方には肖像画が掲げられているが、それは下半分が破られている。上から下までグレーで覆った衣装の男性ダンサー、そして一人の女性ダンサーが登場。なんとも不吉な予感がする。森の美しい風景を期待していると、肩すかしを喰らう。

一転して華やかなシーンへと移る。まだ少女のアナスタシア王女の誕生日で、舞踏会が催されている。きらびやかに着飾った貴族の男女がお祝いの踊りを披露する。皇帝一家は勢揃い。アナスタシアは小さい淑女で、父母からの愛情を注がれて、幸せの絶頂にいる。

間にまたもや不吉なシーン。グレーの衣装の王女が街に行き交う人たちからあざけられている。泣きながらその場を去る王女。

また宮廷の場面。王女は美しい女性へ成長している。ここでも華やかな舞踏会が開かれていて、王女はその宴の中心にいる。

最後は王女が老いて、ついには道端で行き倒れているシーンで終わる。

もとの童話版を見ていないので比較のしようもないのだけれど、おそらくラジカルに変形させられているのだろう。ただダンス、ソロ、デュオ、群舞などはそのままに、内容が重ねられているのに違いない。

チラシ様のプログラムをもらいそこねたので、残念ながら踊り手の名前は分からない。王女を踊ったバレリーナはとても優雅だった。かなり質感のある体型だったけれど、軽やかだった。ダイナミックな踊りで感心したのが、小鳥の踊りをした女性ダンサーだった。どちらかというと足も太めだし、体躯も小さめだったが、ダイナミックさでは群を抜いていた。男性ダンサーでは王子を踊った若い踊り手のソロがすばらしかった。跳躍のきれが他のダンサーよりもシャープだった。

その他、猫の踊りをした男性二人もそのしなやかさで拍手の嵐だった。また日本人とおぼしき女性バレリーナが一人、二番手の踊り手のグループに入っていた。この人の踊りも優雅だった。

以下に舞踏会シーンの写真を貼付ける。ネットのサイトからのものである。

Youtubeに動画があった!なんとプリマの名前もここから判明。Rebecca Kingだそうである。後半は『白鳥の湖』になているが、前半部分が『眠れる森の美女』。

このプリマさん、サイトでチェックしたらなんとアメリカ出身。2006年にロシアのArtekでのバレエコンペでグランプリを獲得。2009年からプラハの国立オペラ劇所のプリマのようである。
観客席にちらほら日本人の姿があった。観客の大方は学齢期の子供たちで、教師につれられてお勉強に来ていたのだろう。大人はやはり年配の人が多かったのだが、私も含めて暇人の、というか旅行者の観客は日本人なんですよね。これが夜公演だとまた観客がちがってくるのだけど。それは昨日のオペラ、『カルメン』で目撃済みである。