yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

英映画『ブライトン・ロック』Brighton Rock @Ritz 5 9月4日

こういう「地味な」映画は日本では「映画祭」を待たなくてはならない。見応えのある映画だった。

今日は朝寝坊してディオンヌの家に行ったのがお昼前だった。ぺちゃくちゃおしゃべりをして気がついたらWalnut Street Theatre, Studio 5での The Arsonists の開始時間、2時半をとっくにオーバーしているのに気づいた。仕方がないので(失礼)「リッツ5(映画館)」に出向いたら、ちょうどこの映画 Brighton Rock *1の開始に間に合った。このリッツ系の映画館は当たり外れがまったくない。いわゆるアート系専門映画館である。願わくばずっと続いて欲しい!

主演の若い男優 (Sam Riley) は知らない人だったが、その相手を演じたのが『私を離さないで』で準主役を演じた女優 (Andrea Riseborough) だった。それに脇役がすごかった。つれあいが愛してやまないヘレン・ミラン (Helen Mirren) 、それにNaked Civil ServantEnglishman in New York であの クエンティン・クリスプを演じたジョン・ハート (John Hurt )である。よだれがでるような役者陣!

グレアム・グリーンの原作の映画化である。舞台は1947年当時の英国海辺のリゾート地ブライトン、そこでチンピラギャングのピンキーとそのガールフレンド、ローズ(後に妻)と彼のギャング仲間、そしてローズの雇い主である中年女性との殺人事件をめぐる駆け引き、そして死を描く。

ギャングを主役にしてはいるけれど、ハリウッド映画と一線を画しているのがその人間の描き方である。主人公のピンキーは父を対立するギャング一味に殺害された(原作にはない設定?)のがきっかけでアンダーグラウンド界に深入りすることになる。海辺のカフェのウエイトレスをしている若い女性、ローズに彼が仇を殺すところを目撃されたと思った彼は、その女性を籠絡して自分の妻にする。最後は殺すつもりである。察知したカフェの女主人がなんとかそれを阻止しようとするが、ピンキーに首ったけのローズは耳を貸さない。

偽装結婚までしてなんとかローズがもっている証拠を入手しようと企んだピンキーはついに彼女をブライトン郊外の崖に誘いだし、彼女にピストル自殺を強いる。そこへ駆けつけたローズの雇い主はすんでのところで彼女を救出する。ピンキーは自分の持っていた硫酸が誤って顔にかかり、そのまま崖から転落して亡くなる。

ローズの雇い主もピンキーのギャング仲間もイタリア系マフィアの一味だった。彼らがローズの噂話をしている。ローズは刑務所に入れられ、ピンキーとの間の子供の誕生を心待ちにしている。彼らが「新婚旅行」の際にいやいやピンキーが録音した彼の声のレコードを聞くのが、彼女の唯一のよりどころになっている。

暗い映画で、これだと派手なアクションギャング映画になれている日本人には受けないと思う。また映画としてのできもそれほどでもないので、評価は難しい。もっと時間があるときに再度評価し直したい。

ちなみにBrighton rockとは日本でいうところの金太郎飴のようなものだそうである。さる方のブログで分かった。ありがとうございます。でもこの話とどう関係があるのかは不明だけれど。