yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

アメリカでの引っ越しが大変なこと

先日ボストンに住んでおられる田中耕太郎さんのtweetに、引っ越しの運送業者がなかなか来なくて困っているとあった。同じ経験をしておられる方がいらっしゃると、なんだかちょっとおかしくなった。そういう目にあっておられる田中さんはそれどころではなかっただろうから、失礼なんだけれど。でもやっぱりどこにいても日本人は日本人なんですよね。几帳面という点では、世界に冠たる気質の人たちだと思う。

アメリカの大学院時代、7年の間に総計3回引っ越しをした。初めは最初に入った大学の寮からふつうのアパートへのものだったけれど、寮の受付に置いてあった運送業者の名刺をみて3週間前に予約をして、前日にも確認の電話を入れているのに当日業者は待てど暮らせどやってこなかった。午後1時という約束なので、午後2時に電話をしても不通、4時につながったと思ったら、その日の分はもういっぱいなので行けないという。こちらが約束が違うと怒っても馬耳東風。行けないの一点ばり。明日なら行けるというけれど、それも当てにはならないからキャンセルした。寮は夏期だけやってくる学生に貸すため決まった日に出る契約になっていたので、焦った。引っ越し先の管理人に電話を入れたら知り合いの業者をよこしてくれるという。これも半信半疑だったのだが、6人ほどの若い黒人と親方のような人が来てくれて、少ない荷物だったこともありあっという間に運んでくれた。料金も例の運送屋より安かったので、手伝いの人たちに多めにチップをした。後で分かったのだが、彼らは運送屋ではなくて、そのアパートに出入りしている建設業者だった。

その次はアパートからハウスシェア用の普通の家への引っ越しで、例の建設業の人に頼んだら、その時期は忙しくてダメと断られたので、仕方なくアパートの管理人室に置いてあるチラシをみて業者を頼んだ。以前の経験があるので気をもんだけれど、この人はきちんと来てくれた。でも一人でやってくれたので気を遣ってしまった。

最後はその家からアパート(以前にいたアパートと同じオーナーの総戸数80戸余りのもの)への引っ越しで、それも引っ越し先で修理をしている業者に頼んだ。その業者さんとは前のアパートで顔見知りだったので、安心だった。

ことほどさように、アメリカでの引っ越し業者はまずきちんと来ないと思っていないと、精神的に参ってしまう。ただでさえ引っ越しは大変なのに、その上こういうトラブルがあると疲れがどっとくる。学生でも全米チェーンになっている業者を使うのでなぜかと思っていたら、ただ州をまたいでの引っ越しというだけではなく、「安心」を担保にしているのだと分かった。それに学生は自分でトラックを借りて(U-HAUL という業者を使うことが多い)荷物を運んでしまうことがほとんどである。

日本へ帰国するとき、荷物をフィラデルフィアの日通に頼んだ。1週間前にも、また引っ越し前日にも確認の電話をもらったので、それだけでも大感激だった。日本人なんだなと感心したり、安心したりした。当日は少し早めにやってきてくれて、まだ済んでいなかった梱包をきちんとしてくれ、何度も個数を確認した上に確認書類も残してくれた。あまりにもの彼我の違いにいろいろなことを考えさせられた。日本は普通の人たちのレベルが群を抜いて高いのだと思う。今回の震災でもそれは証明されたけれど。