yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

藤巻健史著『マネー避難』

阪急梅田に隣接する書店で買ってしまった。

マネー避難 危険な銀行預金から撤退せよ!

マネー避難 危険な銀行預金から撤退せよ!

日本経済への厳しい警告である。震災前にすでに危機的状況にあった日本の経済、財政がこの震災で引導を渡されて、いずれ近いうちに破綻するという警告である。日本国債もデフォルトの可能性が高いという。いわゆる「破綻本」は多くあって、それで印税を稼いでいる人も多くいるが、今のところあまりあたってはいない。でもじわじわと閉塞感が日本全体に広がっている。

「弱者救済」という名目のもとに、社会福祉費が実に国の歳出の40%にのぼるという。これは先進国中でも高いそうで、これをカットしない限り日本の「再生」は不可能だと、藤巻さんはいう。今こそ腹をくくって最悪の事態に備えるべきだという。この40%には正直驚いた。でも最近の私自身の経験から、年配者の方が「豊かな暮らし」ぶりであるのには気づいていた。若い人たちがどれだけ働いてももらうことのできない額の年金を受け取っているのだ。この年寄りたちは既に手にいれた既得権を手放したりはしないだろう。少しでも「年金減額」なんていう報道がでると、街頭でビラまきをする光景を見たものである。だから「聖域」に手をつける政党が出てくるとは思えない。

藤巻さんもこの点に関しては悲観的ではあるが、にっちもさっちも行かなくなれば、いずれ変えざるをえなくなるだろうという。というのも韓国という前例があるからだという。いったんは破綻してIMF の監視が入った韓国、国のプライドをかけて再建し、いまや日本よりもずっと元気がよい。

藤巻さんは日本経済を救う道は円安しかないという。通貨安になれば企業に競争力がつくし、人件費も国際比で安くなるから、外に出て行っていた日本企業も、あるいは外国企業も日本に戻る可能性が高い。というものの、でも1ドル200円なんてことになると、外国に観光や留学で行くのはかなり厳しくなるだろう。

でも何かの荒治療をしない限り「ゆで蛙」状態の日本を再生させることはできないというのが藤巻さんの結論だが、その荒治療とは「市場にあくまでも任せる」ということである。でもいまだに市場原理に抵抗している「社会主義国日本」で、これが果たして可能なのだろうか。市場原理を体現していたホリエモンが有罪とされ収監されたことが、日本のこういう姿勢を象徴している。