yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

芝居『二人忠治』in 劇団花吹雪@朝日劇場 5月4日

お芝居は『二人忠治』。
真之輔さんがにせ忠治、春之丞さんがほんものの忠治という配役でした。これ、他劇団で何回か観ています。でも花吹雪では初めてでした。もう何年もやっていなかったお芝居の一つかもしれません。

舞台が開くと舞台中央に後ろ向きの三度笠旅姿の男がカッコよく立っている。笠で顔を隠して。やおら前を向き、笠をとるとオモシロメークの真之輔さん。お客さんたち、大喜び。こういう演出、ニクイ。

ひょんな行き違いで、本物の忠治に間違えられたニセ忠治(本当は国定村の忠兵衛という百姓)がやってきた土地の悪いヤクザに絡まれている別のヤクザ一家のお嬢さんを助ける。その現場を本物の忠治がみていた。そのお嬢さん一家でニセモノはわらじを脱いだのだが、そこへ本物の忠治がやってきて、彼もそこでわらじを脱ぐ。ホンモノとニセモノとの会話で笑わせる。真之輔さんは気の弱いニセモノ、その虚勢のはり方がとてもかわいかったです。貫禄満点のホンモノに追求されてのオタオタぶりに、おもわず「同情」してしまいました。

春之丞さんはこういう格のある親分ははまり役ですね。出てこられるだけで、そのあたりを払う雰囲気から「大物」だと分かります。でもそれだとなにかちょっと面白くないような。あまりにもニンに合い過ぎですから。「春ちゃん」の羽目を外してのイケイケどんどんを何度もみた者としては、そしておわらいの濃い大阪文化になじんだ者としてはどちらかというと「法界坊」的なひねりを期待してしまいます。

で、ニセ忠治がさらわれたお嬢さん救出にいやいや出かけるのですが、なんとかして逃げ出そうとする「弱虫」の真之輔さんもとてもかわいかった。殴り込んだ悪親分宅での斬り合いでは、ホンモノ忠治が旅から帰ってきて加勢に駆けつけたお嬢さんの兄ともども、悪親分一家を全滅させるのですが、すべて片がついてから奥から出てきて見得をきる真之輔さんもおかしかった。なぜかこの日の真之輔さんは「かわ・おもしろい」感じ、本来の若さが全面に出ていました。

この日は観ることに専念するつもりでしたので、ショーの記録はとっていません。ただ、隣に座られた尼崎からいらっしゃったという方は、尼崎の劇場でみる劇団よりも役者さんがイケメンぞろいで、それに衣裳がきれいだと感心されていました。そちらには「花吹雪」が乗ることがないので、朝日まで来られたのことでした。「そうでしょう!」なんて得意気にいっている自分がおかしかったです。