yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

芝居『浪速風流男』伍代孝雄劇団@朝日劇場 1月30日千秋楽

込み合ったところへ行くのがイヤなので、千秋楽はほとんど行ったことがないのですが、今回は気がつくと足が大阪に向いていました。

超満員でした。30分前で桟敷の端の席がようやくとれました。通路に丸椅子というよりも幾分かマシでしょう。これならもっと早くに席を予約しておくべきでした。教訓になりました。

満員の熱気に溢れかえっている中での舞台、劇団もきっと気合いが入ったと思います。来てよかったと思いました!

お芝居は『浪速風流男』という喜劇でした。筋は割愛します。昨日の『壺坂霊験記』でかなり疲れましたので。でも、座長、並外れた器だと分かりました。今更ながらですが。酔っぱらいの浪人を演じられたのですが、秀逸でした。

諒さん、奴の役でしたが、これも両性具有的なところといなせなところとが混在していて、チャーミングでした。

そしてなんといっても一也さん。人のよい番頭役、座長にいじめられながらの熱演!やっぱり彼でなくてはこの役はできないでしょう。気の弱い、人のよい優男を演じられて、このはまり方、カワイかったです。

瑞穂さん、かっこいい親分役で、もともと男っぽい、大柄な方ですが、いつもよりずーっと大きくみえました。目力、半端ではありませんね。

諒さん、一也さん、瑞穂さん、みなさん座長の看板をはれるだけの実力のある方たち、その方たちがこれまた怪力の座長を支えているのですから、最強劇団です。願わくば諒さんがずっといてくださればいのに。祈っています!

そういえば、座長、諒さん、そして一也さんとでの会話から、このお芝居が四代目三河家桃太郎さん直伝のお芝居だったということが分かりました。これを伝授されたとき、座長は24歳だったそうで、「あのころは若かった」と二人でしみじみと述懐しておられました。まだお若いですが、それでもこういったお芝居にはかなり体力が要るということでしょうか。

ラストショー、「それは恋」についてひとこと。
これはもちろん、『梅川忠兵衛』の「新口村」の段の大衆演劇版。森進一さんの歌に乗せて演じられます。他劇団でも何度も観ましたが、伍代さんのは趣向が変わっていました。パロディ版でした。

花道七三のすっぽんから比翼紋に黒縮緬姿の梅川(座長)と忠兵衛(一也さん)がござに上半身を隠して登場。観客席から「わぁー」という歓声。降りしきる雪の中で追っ手との立ち回りが始まります。そこへ上手から二人のカップル登場。なんとこれがオモシロメイクのにせ梅川(信之さん)と忠兵衛(瑞穂さん)で、バックで本物のまねをするのです。本物をみるべきなのでしょうが、目はどうしてもニセモノに行ってしまいます。悲劇のはずが不協和音が入るために、喜劇の流れになってしまいます。

さらにおかしかったのは、貞淑な(はずの)梅川がニセ梅川の顔を思いっきりぱしっと叩くところでした。最後の悲劇的な死の場面も、ほんものがそれらしく演じているのに、後ろでこけまくりの末期の場面を見せられるので、やっぱり喜劇でした!

伍代劇団、こういうパロディ、最高です。マジメな顔で演じられるのが抜群です。どちらかというとお堅い長谷川伸ものよりもこういう趣向の劇が好きです。ワタクシ、親不孝ものですので、親・兄弟の情なんていわれると、なにかお尻がむずむずして落ち着きません。

この後2月は佐賀で、3月、4月と東京、5月が新開地、そして6月堺らいぶ座、7月浪速クラブということだったと思うのですが、間違っているかもしれません。確認お願いします。