yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

国際学習到達度調査の結果

国際学習到達度調査PISAの結果、日本の子供たちの学力は相変わらず低迷しているという。以下がWikiのサイトから抜き出した結果である。

数学的リテラシー 読解力 科学的リテラシー
1. 上海 600
2. シンガポール 562
3. 香港 555
4. 韓国 546
5. 台湾 543
6. フィンランド 541
7. リヒテンシュタイン 536
8. スイス 534
8. 日本 529
10. カナダ 527

1. 上海 556
2. 韓国 539
3. フィンランド 536
4. 香港 533
5. シンガポール 526
6. カナダ 524
7. ニュージーランド 521
8. 日本 520
9. オーストリア 515
10. オランダ 508

1. 上海 575
2. フィンランド 554
3. 香港 549
4. シンガポール 542
5. 日本 539
6. 韓国 538
7. ニュージーランド 532
8. カナダ 529
9. エストニア 528
10. オーストリア 527

頻繁にニュースになっているから、すでに皆さんご存知だと思う。でもこれは65カ国中10位までの結果で、日本は一応10位以内には入っている。ただ、 2000年に実施したものと比べると明らかに順位を落としていることと、上海がどの学力でもトップになったのが衝撃だったのである。

日本の子供たちの学力が落ちていることは間違いない。それと学習意欲が低下しているのも間違いない事実だ。でもマスコミのセンセーショナルな扱いも問題だと思う。

アジアの「先進国」がよい成績だったのにはしかるべき社会背景がある。それはアジア人特有の真面目さ、勤勉さがいまだに社会倫理、規範として広く行きわたっていて、勉強をすることで将来が決定付けられる。逆にいえば教育によってでしか道が開けないというそれぞれの国の事情が絡んでもいるから。

それはアメリカにわたった日系人が子供たちに教育をつけることで、アメリカ社会での競争をを生き抜かせようと考えたのに通じるものがある。また、戦後の日本で、復興と教育が連動していたところにも、同じ現象は見られた。選択肢が非常に少ない中で生き残りをかけるには、教育が最も有効な手段であるのは古今東西を問わずいえることである。

だから、この調査には「ちょっとまてよ」と思ってしまう。中国で上海が抽出されたというのも、ここが最も教育熱が高い(北京よりも階層がそろっている)からで、それは日本でいえばもっとも教育熱の高いところを選ぶということと同じだから。だからこの結果が中国全体を示すというのは早計だろう。でもある種の事実を示しているには違いない。

アメリカにやってくる中国人はハングリーだったし、優秀だった。日本人留学生には2000年以降ほとんどお目にかからなくなっていた。たまたまTAトレーニングで出会った三人の博士課程の学生のうち、一人は経済専攻、もう一人は哲学専攻で、それぞれアメリカの大学に職を得た。三人目が問題で、東大出身、経済企画庁派遣の人だったけど遊び人風、しかもきわめていい加減な人だった。最初の二人は大学もアメリカだったので、そこが違ったのだろう。

でもそのアメリカ、読解力以外は20位以下に甘んじている。つまり、上位者と下の者との落差が極端だということである。優秀な者は中等学校から私学に行き、徹底したエリート教育を受ける。下の者は中等教育の段階で落ちこぼれてしまう。ただ、アメリカの良いところは、いつも「敗者復活」が可能だ(と思わされる)点である。

日本でも学力に関してはこのアメリカ型社会に近づいているのかもしれない。