yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

Kindle 入手

アメリカのアマゾンに注文していたキンドル Kindle が先ほど航空便で到着しました。速かった。注文してわずか一週間です。円高もあり、配送料こみで18000円弱でした。本体自体は米ドルで139ドルで、発売時にくらべて、約40パーセントのプライスダウンです。しかもこの機種はWiFiが使えます。
横向きの画像ですが以下のようです。比較する何かを横に置かないと大きさの見当がつかないかもしれませんが、12cm×19cmです。コンパクトでしょう。iPadよりずっと小さくなります。それがKindleを買う決意をさせたいちばんの理由です。

発売された当初にはあまり興味がなかったのに、今回買う気になった理由のひとつは、新しい版でWiFiが使えるようになったからです。また、Kindle を新しいディメンションを拓くものだと紹介した本、『電子書籍の衝撃』を読んだからでもあります。著者の佐々木俊尚さんは私がTwitterで追跡している方のお一人なのですが、彼が頻繁に宣伝されていたこともあり、11月初めにこの本を読みました。

音楽界地図がiTunesの登場により塗り替えられ、結局はアップルの一人勝ちになり、CDの売れ行きが低迷している状態を、彼は「iTunes が音楽を聴くプラットフォームを作り上げることで、聴くという行為のアンビエント化に成功したこと」と説明します。私はiTunes Storeで曲をダウンロードしたことがありませんが、たしかにCDからMP3プレーヤーにとりこむのに、PC、携帯の画面からそのままダウンロードできれば、速くかつ快適ですよね。それをアンビエント化というらしいのです。

書籍にも同様のことが起きると彼は予測します。その一つの例がアマゾンのKindleだというのです。彼が言及したのはまだWiFi環境ではなかった Kindle ですから、わずか1年足らずのうちに前進したわけです。それはもちろんiPad の登場が関係しています。今やアメリカではいろいろな出版社がこの分野に参入し、熾烈な競争を繰り広げています。

また、書き手の側でも変化が起きています。電子出版の動きです。日本では最近村上龍さんが電子書籍の「出版社」を立ち上げたことが大きく報道されていましたよね。

電子出版のこれからの姿を佐々木さんは音楽界におきたことで次にように予想します。

1.ソーシャルメディアを駆使して書き手が読者とダイレクトに接続する環境が生まれ、それによって書き手のいる空間がひとつの「場」になってゆくこと。
2.電子ブックによってパッケージとしての紙の本は意味を失い、コミュニティの中で本が読まれるようになってゆくこt。
3.セルフパブリッシングの世界では大手出版社かどうかは意味がなくなり、中小出版社でもあるいはセルフパブリッシングする個人でも、購読空間の中で同じようにフラット化していくこと。

非常に明晰な分析です。そして出版もその方向に進みだしていると思います。

佐々木さんは最後の章で日本特有の出版界のあり方に疑問を呈しています。でもその問題点も電子書籍という「黒船」に抗し続けるのは不可能でしょう。そして彼の予測では本の書き手の読み手の関係は限りなくソーシャルメディアの中に位置づけられ、それがやがてはコンテンツそのものに影響して行くということになります。

私自身はこの最後の部分にいささか違和感を感じますが、でもそれが書き手と読み手の関係をソーシャルメディアの中に閉じ込めてしまうものでないというならば、その可能性も信じたい気持ちです。松岡正剛さんとその読者(私自身のことも含めて)との関係を考えると、可能性はあると思います。