yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

長谷川武弥劇団

長谷川劇団は武弥座長、愛京花座長が総座長ということになっています。「この区別はどういうこと?」と、疑問を抱きつつ観劇しました。そして、その答えも分かったような気がします。

武弥座長は本家真芸座の片岡梅之助座長とは「肝胆相照らす仲」ということで、興味津々でした。

お芝居は『船場心』。副座長、長谷川桜さんが主人公の船場の大店「糸吉」の娘(いとさん)千恵を演じられました。京花座長がその母、そして武弥座長が糸吉の手代、仙吉でした。長谷川光太郎さんが千恵の恋人の医学生、正木を演じられました。

千恵は貧乏医学生正木と恋仲になり、二人で正木の故郷、東京に出奔しようとしたところを千恵の母に止められる。正木は医者になったあかつきには必ずや千恵を迎えに来ると言い残して、東京に帰る。母は彼の言葉をまったく信用していないが、千恵が妊娠していることを知って、生まれてくる子供が「父なし子」にならないよう、千恵と店の手代、仙吉とを一緒にさせようとする。折も折、糸吉が女中の不始末から火事になり、中に取り残された母を助けたのは仙吉だった。しかし、仙吉は顔にひどいやけどを負ってしまう。

千恵たち親子はひとまず仙吉の父の住む大和高田に避難し、千恵、仙吉はそこで所帯をもつ。女の子(おしん)が生まれるが、仙吉は自分の子供だと思っている。おしんも仙吉によくなついている。母と妹娘は船場に帰り、仙吉の父親が田畑を売り払って作った金で家を建ててもらっている。

へ母と妹娘が千恵を訪ねてきたところ、七年ぶりに医者になった正木がやってくる。千恵と母とが仙吉にとう対処しようか相談しているところを、仙吉が立ち聞きしてしまい、真相を知ってしまう。怒る仙吉。しかし、最後は千恵とおしんとを正木に委ねる。「お父ちゃん」と叫ぶおしんの声を聴きながら涙する仙吉。

口上は京花さんがされました。

グランド・ショーでの京花さん、半端でなくすばらしかった!女形、芯があって、それでいて華やかで、トップレベルの舞踊でした。立ちも鼻をつくあざとさ、女臭さがゼロでした。それでいて清潔なエロティシズムはおなか一杯ありました。両性具有的なあいまいさを一切排しながら、それでいてなにか「はんなりとした」色気を感じさせる舞台でした。


ちなみにこの日は「五木宏」特集だったとかで、すべての曲が彼のものでした。武弥座長、京太郎さん、翼さん、乱之助さん、みんな一級のレベルでした。それだけでも感動ものでした。

京花さん、圧倒的な魅力でした。華やかな色気、それでいて媚がないさわやかさ、必見です。座長の(そして京花さんのパートナーでもある)武弥さんの舞踊も型がきちっと決まっていて、安定していると同時に秘められた情熱のようなものも感じさせるものでした。

副座長の長谷川桜さんは今年3月に本家真芸座へのゲストで拝見したことがありました。そのときに男装で踊られた「勝手にしやがれ」の粋さは瞼に焼き付いています。