yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

iTunes University

以前にiTuneからその最初のページに出てきたレクチャーをダウンロードしていたのだけれど、今朝他に調べたいことがあって、再度アクセスしてみました。

驚いた!ホントにiPhoneには驚かされることの連続です。

NHKの放送でたまたま聴いてもう一度聴いてみたいと思っていたハーバード大のSandel教授のレクチャーはもとより、アメリカを含む世界の名だたる大学の講義が聴ける(それも無料で)ということが分かり興奮してしまいました。Sandel教授の講義の仕方は典型的なアメリカ型(そして彼の専門でもあるアリストテレスも使ったという「産婆術」という問答形式)で、フロアの学生に質問してそれに応えながら、そしてその双方向的なキャッチボールの中で議論の中身を深めてゆくというものです。大教室で立ち見もでるほどの人気講義という点では私がアメリカで受けた同種の授業とは違っていますが、雰囲気がまさに同質で、それが懐かしかったです。

そして、そして、ものすごい数のレクチャーがこのiTune University には登録されているのです。Yale, MITが数年前からiPhoneで実験的に実際のレクチャーを試聴できるようにしたという話は聞いた記憶があったのですが、なんとなく数本のみの実験だろうとタカを括っていたのが間違いでした。

これだと自分の専門のもののみならず、興味があったのに受けるチャンスがなかったレクチャーが遠く離れた日本でも聴けるのです。今までは考えなれなかったことです。

さっそく、以前から受けてみたかった経済学の講義を探してみました。以前にアメリカの経済番組で見てステキ!(ミーハーですね)と思っていたYaleのRobert Shiller教授のレクチャーをダウンロードして聴いてみました。予想通り易しいのに深い内容のものでした。ファイナンスの入門(講義番号が252と若かったですから)の講義ですが、それを一学期分丸々聴くことができるのです。

第一時間目は講義全体のアウトラインの説明でした。一番印象的だったのは五人のTA (Teaching Assistant)のうち四人までもがアメリカ人ではなかったことです。もちろん全員がPh.D. Candidateですが、教授は彼らを学生に紹介する中でTA一人ひとりの博士論文のテーマをきちんと覚えていて、伝えていたことでした。そして彼らのエスニックバックグラウンドも一緒に紹介していました。日本のどこの大学でこれが可能でしょうか。アメリカ、そしてそのアカデミア、その中心にある大学の懐の深さを思わずにはいられません。ここのアメリカの真の強さがあります。ちなみに東大もiTune Universityに一応登録はしていたのであけてみたのですが、英語でのレクチャーはゼロでした。

Robert Shiller教授はその著書"Irrational Exuberance"でアメリカの住宅バブルに警鐘をならしたことで広く知られていますが、S & Pのケース・シラー住宅価格指数の開発者でもあります。

第一時間目(1時間半)のみしか聴けませんでしたが、移動中にずっと聴き続けるつもりです。こんな玉手箱が存在するなんて!信じられない気持ちです。日本の大学生も(英語の力のある者は)自分の大学の講義とここに登録されれている世界一流の講義を比べて、余りの違いに愕然とするでしょう。愕然としたら、アメリカへの留学を考える学生が増えるかもしれません。そうなってほしいと、切に願います。知のレベルが違いすぎる!