yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

文楽

『国言詢音頭(くにことばくどきおんど)』開場35周年記念文楽公演 第3部@国立文楽劇場7月31日

「五人伐り(斬り)」から想像するに、『伊勢音頭恋寝刃』と似たような演目だと予想していたのだけれど、若干違った。というのも、『伊勢音頭』の方は長いサーガの断片であるのに対し、こちらは「五人斬り」で始まり終わる。『伊勢音頭』のような物語的背景…

歴史に残る名演だった「五段目より七段目まで」『仮名手本忠臣蔵』in「国立文楽劇場開場35周年記念 夏休み特別公演」@国立文楽劇場 7月23日、24日

24日に床前の良席で観劇できたのだけれど、あまりにすばらしい舞台。公演中全席完売だと知っていたのだけれど、諦めきれずに文楽劇場サイトにアクセス。なんと急遽2席空席が。迷わず確保した。 どの段も優れて見応えがあったけれど、その中でも特に良かった…

勘十郎・和生の「人形」、呂勢・清治の「語り・三味線」で魅せる「殿中刃傷の段」in 『通し狂言仮名手本忠臣蔵』(国立文楽劇場 4月)NHK BS放送

この4月に文楽劇場で「大序」から「四段目」まで見て、記事にしている。 www.yoshiepen.net ただ、この放送を見て、前には見落としていたことが結構あったことに気づいた。かなり後ろ席だった所為もあり、人形及びその遣い手の表情をしっかりと認識していな…

文楽『通し狂言 仮名手本忠臣蔵』(大序より四段目まで)@国立文楽劇場 4月22日昼の部

公演チラシ 「謎」が解けた 呂勢太夫の語りと清治の三味線 咲太夫の語りと燕三の三味線 人形遣い手の充実 公演チラシの演者一覧とあらすじ 公演チラシ 公演チラシをアップしておく。 「謎」が解けた 『仮名手本忠臣蔵』、このように「大序」からの通しで見る…

文楽『近頃河原の達引』@国立文楽劇場 4月8日夜の部

夜の部は『祇園祭礼信仰記』と『近頃河原の達引』の二本立て。『祇園祭礼信仰記』は二時間近い長丁場な上、歌舞伎では見せ場になる「爪先鼠の段」が文楽では「見せ場」にならない(?)所為か、そのまま帰ってしまう人も結構いたような。残念。順序を逆にし…

文楽劇場公演記録鑑賞会『伽羅先代萩』(「第415回公演記録鑑賞会」)@国立文楽劇場小ホール 2月1日

はてさて、27年前の『伽羅先代萩」の舞台は現在のものと同じなのか、それとも違っているのか。興味深い発見がいくつかあった。 記録映画『伽羅先代萩」 過去の演者と現在の演者 現在の演じ方 記録映画『伽羅先代萩」 人形 政岡 吉田文雀 千松 吉田幸助 鶴千…

若手の息遣いが聞こえた『冥途の飛脚』@国立文楽劇場 1月16日夜の部

各段の主要な演者一覧を以下に。 人形 吉田玉男 (忠兵衛) 豊松清十郎(梅川) 吉田玉輝 (八右衛門) 吉田蓑二郎(母妙閑) 吉田清五郎(下女まん) 吉田玉志 (手代伊兵衛) 浄瑠璃・三味線 淡路町の段 <口> 豊竹希太夫 竹澤団吾(三味線) <奥> 竹本…

眼福・耳福の「阿古屋琴責の段」『壇浦兜軍記』in 「文楽初春公演」@国立文楽劇場 1月16日夜の部

先月、歌舞伎座で児太郎の阿古屋を見たばかり。最高峰に位置する女方役者が務める役だというのが、よくわかった。三曲を弾き分ける難しさだけではなく、存在そのものが華のきらびやかさを纏っていなくてはならない。出端の瞬間、「アァ!」と客席から嘆声が…

しみじみと「懐かしい」感のある『壺坂観音霊験記』@国立文楽劇場 1 月14日

お里の夫への愛と強い信仰心は、やはり心を打つ。観音の霊験を受けて、ついには夫の目が見えるようになったというハッピーエンドも、ホッとするしうれしい。 あまりにも有名な「三つ違いの兄さんと」 しみじみとした夫婦愛にほっこりする 浄瑠璃・呂勢太夫と…

ベテランと若手の掛け合いは必見『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)』@国立文楽劇場 1月14日第一部

予想を超えた舞台だった。 予想を超えた舞台だった。 若手が「仕切る」活気に溢れた舞台 演者と観客の掛け合い 独自の解釈から生まれる語りの客観性 若返りが著しい人形遣い 人形浄瑠璃から歌舞伎へ 若手が「仕切る」活気に溢れた舞台 最近の文楽舞台は活気…

「帯屋」を語った呂勢太夫の語りの妙!『桂川連理柵』 in 「第152回文楽公演」@国立文楽劇場 11月24日昼の部

呂勢さんは「帯屋の段」を語られた。千変万化の語りにノックアウトされた。人物の気持ちの襞に分け入っての語り。人物の裡にこもった情が溢れ出てくるような語りである。それも旧世代の太夫たちのこってりしたものではなく、情の発露は緻密に計算されている…

「中将姫雪責の段」『鶊山姫捨松(ひばりやまひめすてのまつ)』in 「11月文楽公演」@国立文楽劇場 11月3日夜の部

「中将姫(雪責)」の話自体はとてもドラマチック。だから、芝居の作り手の興味を引くのだろう、謡曲、浄瑠璃、そして歌舞伎で取り上げられている。以下、Wikiからの興味をそそられる解説。 中将姫伝説をもとにした演目であり、中将姫のことはこの『鶊山姫捨…

竹本住太夫さんを悼む

4月28日に亡くなられた。あの伝説の豊竹山城少掾の最後のお弟子さん。ずっと文楽のトップを走って来られた大夫。1989年に人間国宝。2014年5月に、68年に及ぶ大夫生活に終止符を打って引退されていた。生前は文楽劇場に乗られる度に、その素晴らしい喉を堪能…

『摂州合邦辻』in 「初春文楽公演」@国立文楽劇場1月24 日第一部

「合邦住家の段」のみ。Wikiに詳しい解説が載っているし、長い段なのであらすじは割愛する。説経節の「しんとく丸」などが題材になっている。ちなみに寺山修司の『身毒丸』(1978)も、この説経節を素に書かれている。継母と義理の息子の恋愛といえば、古い…

文楽『良弁杉由来』in 「初春文楽公演」@国立文楽劇場1月16 日第二部

今回の文楽初春公演の番組中、最も良かった。期待値が高くなかったので、これは予想外。期待していなかったのは、先月ロームシアターで見た「二月堂」が良くなかったから。こちらは渚の方を坂田藤十郎、良弁大僧正を四代目鴈治郎が演じた。歌舞伎の「二月堂…

ワクワク感たっぷりの文楽『紅葉狩』in 「第148回文楽公演」@国立文楽劇場

『紅葉狩』といえばつい先月、能の『紅葉狩 鬼揃』を二条城二の丸御殿で見たばかり。片山九郎右衛門さんの上臈/鬼女、味方玄さん、片山伸吾さん、橋本忠樹さんの侍女、福王和幸さんの維茂だった。歌舞伎では2013年6月に国立劇場の「歌舞伎鑑賞教室」で見て…

第148回文楽公演『心中宵庚申(しんじゅうよいごうしん)』@国立文楽劇場11月20日第2部

先日見た昼の部の『鑓の権三重帷子』と『八陣守護城』には圧倒された。その勢いは必ずや午後の部にも波及しているはずと推測していたら、予想通り。むしろ昼の部を凌駕していた。太夫、三味線、人形遣いの意気込みがその場にいるだけ肌身に感じられるほど強…

第148回文楽公演『鑓の権三重帷子 (やりのごんざかさねかたびら)』@ 国立文楽劇場11月6日昼の部

太夫、人形、三味線共に若手に一新された舞台。2014年8月にもそれまでの大御所の方々が退き、若手布陣でこの狂言を演じたのを見ている。とても感動したのだけれど、今回も同じ感動があった。このブログ記事にもしているので、リンクしておく。今回の構成は以…

第148回文楽公演『八陣守護城(はちじんしゅごのほんじょう)』@国立文楽劇場11月6日昼の部

チラシ表がこの演目のもの。 構成は以下。 浪花入江の段 主計之介早討の段 正清本城の段 演者一覧は以下のチラシをご覧あれ。また、概要はその下にアップしておいた。 初めて見る狂言。多分歌舞伎でも見ていない。時代物でもあまり人口に膾炙していない芝居…

英語解説の付いた「第34回文楽教室」@国立文楽劇場6月17日午後2時の部

ネット経由では良席が取れず、仕方なく外国人向けの公演にしたのだけど、思わぬ役得が。文楽劇場がこういう意欲的な試みをしていたとは!驚いたと同時に嬉しかった。名付けて、「Discover BUNRAKU」。以下がその内容。日本語のオリジナルを併記する。 Ninin …

「奥庭狐火の段」in『本朝廿四孝』初春文楽公演@文楽劇場1月5日昼の部

最近になって「大夫」が「太夫」に変更になっているのに気づいた。「太夫」は「大」の中に点が入っているのを「ちょぼ」とよんで、歌舞伎語りの太夫に適用、人形浄瑠璃の語り手には使わないと聞いていたので、意外。以下「日経」の記事。 文楽協会と日本芸術…

吉田文雀さんが亡くなられた

8月20日のことだという。3月に引退されていたんですね。最近は姿をお見かけしないと思っていた。以前ほど文楽に頻繁に行かなくなったのもあるけど、最近は若手の人形遣い、大夫さんたちが活躍されるようになっていたので、年配の演者が舞台に上がっておられ…

『薫樹累物語(めいぼくかさねものがたり)』第143回文楽公演@国立文楽劇場8月1日

ほぼ通しの、[豆腐屋の段/埴生村の段/土橋の段]だった。「累(かさね)」として知られる狂言、『色彩間苅豆』を何回か歌舞伎で見ている。ただし通しではなく、最後の土橋の場面のみが多かった。私の記憶に残っているのは富十郎と菊五郎のかさねだったのだ…

4月文楽公演 『通し狂言 妹背山婦女庭訓』@国立文楽劇場 4月4日第一部

昼・夜とで通し狂言を演じるという、意欲的なプログラム。 以下、チラシをアップしておく。 大夫、三味線とも肉体的にはかなりハードなはず。観客にとってもかなりしんどいもの。肉体的にだけでなく、精神的にも。ほとんどの方が私よりは年上(?)と思われ…

『釣女』初春文楽公演@国立文楽劇場1月22日昼の部

狂言の『釣女』が歌舞伎舞踊になり、そのあとで文楽になったもの。以下がチラシにあった概要。 <大夫> 太郎冠者 津駒大夫 大名 芳穂大夫 美女 希大夫 醜女 咲甫大夫<三味線> 團七 清丈 龍爾 燕二郎<人形> 太郎冠者 一輔 大名 文昇 美女 紋臣 醜女 玉佳…

『新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)』での呂勢大夫さんの語り 初春文楽公演1月22日昼の部

「座摩社の段/野崎村の段」と二段だった。「座摩社の段」は文楽でも歌舞伎でも見たことがない。野崎村の段」は文楽、歌舞伎ともによくかかる演目なので、何度か観ている。「野崎村」の「切り前」を語られた呂勢大夫さんの語りに、聴き入ってしまった。彼の…

『関取千両幟(せきとりせんりょうのぼり)』初春文楽公演 @国立文楽劇場第一部

つい三日前、第二部の近松作『国性爺合戦』を観たのだけど、「千里が竹虎狩りの段」まで観てから退出した。疲れていた所為か余り楽しめなかった。集客もここ二年ばかりの盛況振りに比べると、あまり入っているとはいえなかった。今日、急遽観に行こうと考え…

『生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし)』夏休み文楽特別公演@国立文楽劇場7月21日第2部

『生写朝顔話』の構成は以下の6段。 宇治川蛍狩の段/真葛が原茶店の段/岡崎隠れ家の段/ 明石浦船別れの段/薬売りの段/浜松小屋の段第2部全部と第3部の後半で「通し」になっていてる。残念ながら第3部は観ていない。ただ第3部の「嶋田宿笑い薬の段…

『一谷嫩軍記』((いちのたにふたばぐんき) in 「二代目吉田玉男襲名披露」人形浄瑠璃文楽四月公演@国立文楽劇場4月25日夜の部

土曜日ということで、満員の観客だった。能のアダプテーションの『靭猿』、「口上」、『一谷嫩軍記』、そして『卅三間堂棟由来』と続いた。『一谷嫩軍記』の後、30分休憩があったのだけど、疲れてしまい、友人には申し訳なかったけど退出した。この前の興行…

初春文楽公演 国立文楽劇場開場30周年記念@国立文楽劇場1月14日第一部

すばらしかった!文楽に新しい地平が拓けたのに立ち会うという、貴重な体験だった。その証左は観客動員数に如実に現れている。大御所の死去、引退等により、さらには橋下市長の文楽予算削減の発言によって引き起こされた危機感により、今まで前面に出て来て…