yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

味方玄

片山九郎右衛門師渾身の新作能 劇場版<媽祖> @小田原三の丸大ホール 1月23日

特設サイトにアップされている写真をお借りする。 片山九郎右衛門師の作品への想いとそれを共有する出演者たちとの絆 演出法の工夫 大劇場演出の経験を生かす 片山九郎右衛門師の経験 杉本映像とのコラボ 劇場のキャパの適切さ 前場と後場との対比の妙 歌舞…

12月観劇予定

コロナでキャンセルになっていた公演が次々と公開されるようになり、うれしい限りである。 能は「井上定期能」、「林定期能」、「浦田定期能」、そして「京都観世会例会」を見る予定である。 それと、林宗一郎師と茂山逸平師が落語家と組んだ「さかさま会」…

復曲能『篁』プレ公演 @京都観世会館12月23日

この曲については先月(11月)7日の「奈良しば能」で西野春雄氏が言及されていた。この「しば能」で演じられた『高安』も西野春雄氏監修での復曲上演で、演能前の解説が非常に丁寧で、しかもわくわくするほどおもしろかった。今回も演能前に十分程度の解説を…

「冷えたる美」の具現化がみごとだった味方玄師シテの能『龍田 移神楽』in「京都観世会十二月例会 納会」@京都観世会館12月20日第一部

以前にも京都観世会で3回ばかり『龍田』を見ている。直近は昨年9月の河村浩太郎師シテの「林定期能」公演。若々しい演者と華やかな衣装がビジュアル度の高い舞台を創り上げていた。当ブログ記事にしている。 www.yoshiepen.net 昨日の京都観世会納会のチラ…

片山九郎右衛門師・味方玄師二人シテの『猩々乱 双之舞』in「京都観世能」@京都観世会館10月25日

このリハーサルを先月の「「京都能楽養成会 第三回研究発表会」(@金剛能楽堂)で見ている。その折にアップした記事が以下である。 www.yoshiepen.net やはり衣装を、それもとびきり豪華な衣装をつけての本舞台は圧倒的な魅力と迫力があった。 演者一覧と京…

片山九郎右衛門師シテの『大会』in 「能楽チャリティ公演~祈りよとどけ 京都より」@ロームシアター 9月25日配信、再配信は10月12日まで

9月25日にネット配信された「能楽チャリティ公演~祈りよとどけ 京都より」。能2本と狂言1本の構成。 最初にシテ方の片山九郎右衛門師と小鼓方の吉阪一郎師の対談、2本目の『大会』の舞台前に片山九郎右衛門師と舞台美術監督の前原和比古氏(京都舞台美術…

片山九郎右衛門師・味方玄師の「二人猩々」が楽しい『猩々乱 双之舞』in 「京都能楽養成会 第三回研究発表会」@金剛能楽堂 9月14日

金剛流と観世流との合同研究発表会、最後を飾ったのが片山九郎右衛門師と味方玄師共演の袴能『猩々乱』。来月25日の「京都観世能」でも二人シテで舞われる。大鼓、笛は同じ演者が演奏されるので、本番リハーサルを兼ねてのもの? シテが一人のものは味方玄師…

味方玄師の『胡蝶』が魅惑的だった!in 「片山定期能7月公演」@京都観世会館 7月19日

以下が当日の演者一覧と概要。 前シテ 里女 味方玄 後シテ 胡蝶の精 味方玄 ワキ 旅僧 福王知登 ワキツレ 従僧 中村宣成 ワキツレ 従僧 是川正彦 アイ 一条辺りの者 網谷正美 笛 杉信太朗 小鼓 曽和鼓堂 大鼓 谷口正壽 太鼓 前川光範 後見 小林慶三 片山伸吾…

さすがに巧者の舞–−青木道喜師シテの『班女』の舞「京都観世会六月例会」@京都観世会館 6月28日

今回の青木道喜師シテの『班女』はアイ(狂言方)のでる冒頭部がカットされていた。コロナ禍の影響で上演時間の短縮を余儀無くされていたからで、苦肉の策にせよ、狂言方を始め、他の演者の方々も口惜しい思いをされたことだろう。とはいえ、観客のほとんど…

味方玄師の仕舞「鍾馗」<きょうの能楽師>仕舞編#4

仕舞リレーの四番目にやっと登場された味方玄師。YouTubeサイトをリンクしておく。 www.youtube.com ここに付いた味方玄師の曲紹介が以下。 「鍾馗」とは人の名前。中国・唐の時代、病に伏した玄宗皇帝の夢に現れ病鬼を退治したことから、神として祀られまし…

<きょうの能楽師>素謡「高砂」リレー by 京都観世会能楽師の方々

この企画を今日まで知らなくて、やっと先ほど第十の謡まで聴き終えた。一覧を見るには以下のサイトにアクセスください。 www.youtube.com 「走者」一覧は以下。敬称略。 第一走者 片山九郎右衛門 第二走者 浦田保親 第三走者 大江信行 第四走者 林宗一郎 第…

分林道治師シテの世阿弥作『恋重荷』 in「片山定期能 七十周年記念特別公演」@京都観世会館1月25日

演者に変更があった。ツレ役が梅田嘉宏師から片山伸吾師に、後見の片山伸吾師が青木道喜師に代わった。梅田師は先月もお休みで、心配である。 演者一覧を以下に。 前シテ 庭掃きの老人、山科荘司 分林道治 後シテ 山科荘司の怨霊 分林道治 ツレ 白河院女御 …

貴重な体験だった舞囃子「大典」in 「秋の杉会囃子大会」@京都観世会館10月14日

片山九郎右衛門師がシテの天津神、味方玄師がツレの天女での連れ舞いがよかった。本年7月にお二人のシテ・ツレでの能『大典』の奉納があった。横浜能楽堂に請われての公演だったという。「令和」という希望に満ちた新しい御代を寿ぐのに、技量最高を誇るこの…

「夕顔」を超える味方玄師の存在感 ——— 能『半蔀 立花供養』in「第39回テアトル・ノウ京都公演@京都観世会館 10月6日

美しいチラシをアップさせていただく。 まず華道遠州宗家、芦田一寿氏による立花があった。舞台全面中央に設置された生け花に、芦田一寿氏が最後の仕上げを施された。「立花」が武道に通じることが伝わってきた瞬間だった。当日の演者は以下。 シテ [里の女…

老桜の精の優雅さ——味方玄師シテの『西行桜』@大津伝統芸能会館 4月7日

演能の前に歌人、林和清氏の「西行にとって桜とは何か」をテーマとした解説があった。「西行はなぜ出家したのか」、「西行はなぜ予言した日に死ぬことができたのか」をめぐっての解説はとてもわかりやすく、有意義だった。西行(1118-1190) という人への興味…

味方玄師の品が舞台を圧倒した『弱法師』in 「京都観世会二月例会」@京都観世会館2 月24日

乞丐人として放浪する弱法師 盲目の弱法師を演じる味方玄師の品格 父高安の世俗 vs. 弱法師の聖性の対比 乞丐人として放浪する弱法師 親に捨てられた悲しみのあまり盲目になり、乞丐人として放浪している弱法師。社会の最下層に堕ちたにもかかわらず、品性は…

能の新しい可能性への挑戦だった能楽『鷹姫』in 「シリーズ 舞台芸術としての伝統芸能 vol.2 」@ロームシアター京都 2月3日

一昨年10月に京都観世会館で『鷹姫』をみている。その時書いた記事をリンクしておく。 www.yoshiepen.net とにかくすばらしくて震えるほど感動した。役の人物が憑依したかのような、シテの九郎右衛門師とシテツレの味方玄師だった。岩役の地謡方も力があり、…

味方玄師シテの能『花筐〜筐之伝〜』in 「京都観世会館60周年 第60回京都観世能 第二日目」@京都観世会館 10月28日

記念公演ということで、なんと能が四本!申し訳なかったけれど、最後の『石橋』は失礼した。残念だったのだけれど、疲労の極限だったので。前週の第一日目を見ていないのも残念。体力と財力とに余裕があれば(なにしろ二等席で一万円ですから)、両日見たか…

東本願寺での味方玄師の『経正』 in 「第37回テアトル・ノウ 京都公演@東本願寺能舞台 9月24日

この日の公演は能が二曲と狂言が一曲。明日から東京なので、この胸に堪えた舞台について詳しく書くのは、東京から帰ってからにする。 東本願寺での舞台ということで、期待に胸膨らませて出かけたのだけれど、それは裏切られなかった。おそらくあの場にいた50…

味方玄師シテの能『井筒』@大津伝統芸能会館 9月1日

例によって、「銕仙会」の能楽事典から演目、『井筒』の解説をお借りする。それに当日の演者を明示しておく。 作者 世阿弥 素材 『伊勢物語』第23段ほか 季節 秋 種類 三番目物・鬘物 登場人物 前シテ 里の女 味方玄 後シテ 井筒の女 味方玄 ワキ 旅の僧 …

味方玄師シテの能『白髭』in 「京都観世会1月例会、『曲舞から能へ』」 @京都観世会館1月27日

この能を見れて良かった!一つの事件に立ち会った気がした。能が能として成立、発展する過程を確認できるこの作品。それが、今、この瞬間に開示された。そんな感を持った。この能が現在の形になるまでの歴史を反芻させてもらった。楽しかった。黎明期の能の…

片山九郎右衛門師と味方玄師による能『二人静』@大津市伝統芸能会館 1月8日

そういえば昨年の同じ頃にこの場所で、味方玄師の『竹生島』を見たんだった。その頃はまだ能にここまで溺れていなくて、「いいな」って感じる程度だった。とはいえ、心惹かれ、胸がざわざわとした。オケピで譲っていただいたチケット、正面の前から2列目とい…

味方玄師がシテの能『善界(ぜがい)白頭』 in 「片山定期能12月公演」@京都観世会館 12月16日

これ舞台のためだけでも京都までやってくる価値があると思わせる能だった。それは、この演者一覧を見たときから十分予測できたことではあったのだけど。シテが味方玄さんというだけでもすでに「決まり」。さらにお囃子の面々のすごいこと、またワキも若手の…

観るべし!<片山九郎右衛門+味方玄>チーム、『鷹姫』@京都観世会館10月22日

台風襲来の中、観世会館の中は熱かった!午前の部と午後の部の2本立て。午前の部を迷うことなく選んだ。片山九郎右衛門さん、味方玄さんの舞台だったから。あらかじめ予想していたとはいえ、片山九郎右衛門さん、味方玄さんの、まるで役の人物が憑依したか…

味方玄師シテの能「乱」in 「秋の杉会大会」@京都観世会館10月21日

12時30分過ぎに始まる味方玄さんの「乱」にやっと間に合った。間に合って、本当によかった。「素敵!」のひとこと。「乱」、もちろん『猩々』の「乱」。観世寿夫さんの舞台をDVDで見て以来、すっかり虜になった能作品。実際の舞台ではさる6月、「山本能楽堂9…

味方玄師のモダニティが光る能『俊寛』 in 「第35回テアトル・ノウ」(京都公演)@京都観世会館 10月14日

能の『俊寛』を実際の舞台で見るのはこれが2回目。最初のものは今年6月、この京都観世会館でみた観世銕之丞さんがシテをされたもの。そのとき後見で後ろに片山九郎右衛門さんと一緒におられたのが本日のシテ、味方玄さんだった。いただいたプログラムによる…

巴御前の両性具有性を際立たせた味方玄師の能『巴』 in 「第34回テアトル・ノウ 東京公演」@宝生能楽堂7月22日

味方玄さん主催の「テアトル・ノウ」。これが初めての参加。今回の東京遠征で最も期待していた番組で、予想を裏切られなかった。それ以上だった。1時間20分の長丁場だったけど、最後まで眠くもならず、退屈もしなかった。途中、ほとんどシテの動きのない時…

望みうる最高の演者たちの能『松風 見留』in「片山定期能七月公演」@京都観世会館7月15日

「片山定期能」では二本の能と一本の狂言、それに仕舞が数本入るというプログラムになっているらしい。12時半に始まり5時前に終わるという長丁場。でも全く退屈しなかった。定期能の締めは『松風』。なんと1時間45分!演者さんたち、特にお囃子の笛と地謡の…