yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

前川光範

能の新しい可能性への挑戦だった能楽『鷹姫』in 「シリーズ 舞台芸術としての伝統芸能 vol.2 」@ロームシアター京都 2月3日

一昨年10月に京都観世会館で『鷹姫』をみている。その時書いた記事をリンクしておく。 www.yoshiepen.net とにかくすばらしくて震えるほど感動した。役の人物が憑依したかのような、シテの九郎右衛門師とシテツレの味方玄師だった。岩役の地謡方も力があり、…

河村晴久師シテの能『羽衣』in 「学校教育に能を!公開収録」@京都観世会館 12月25日

一昨年にも同様のワークショップに参加させていただいた。教育教材用のDVD作成が主目的ということで、教育関係者は無料。それが申し訳ないほど、充実した企画だった。第一部が能『羽衣』鑑賞、第二部が、講演、ワークショップ「能舞台と教育現場とつなぐ」と…

宮本茂樹師シテの能『大会』京都観世会11月例会@京都観世会館11月25日

演目の演者一覧が以下。 シテ 宮本茂樹 シテツレ 河村和貴 ワキ 岡充 アイ 茂山茂 島田洋海 井口竜也 笛 左鴻泰弘 小鼓 林大和 大鼓 石井保彦 太鼓 前川光範 後見 杉浦豊彦 大江又三郎 地謡 河村和晃 河村浩太郎 木下千慧 浦田親良 橋本忠樹 大江信行 深野貴…

中秋の明月ならぬ午後の陽が寿いだ味方玄師シテの能『融』@東本願寺能舞台9月24日

まず味方玄師のサイトにアップされていた公演チラシが以下。 チラシにもあるけれど、当日の演者は以下。 前シテ 尉 味方玄 後シテ 源融の霊 味方玄 ワキ 旅僧 宝生欣哉 アイ 六条辺の者 小笠原匡 笛 杉信太朗 小鼓 船戸昭弘 大鼓 河村大 太鼓 前川光範 後見 …

片山九郎右衛門師と清愛さんの豪壮・絢爛な獅子舞に感動『石橋 大獅子』in 「四世梅若実襲名披露京都公演」@京都観世会館 6月2日

後場は親子競演で、九郎右衛門師が後シテの「白」を、ご子息の清愛さん(「師」とすべきか「君」なのか迷う)が同じく後シテの「赤」を舞われた。前シテは大江又三郎師。 まず白獅子が囃子方総動員で奏じる「乱序」に乗って登場。そのあと太鼓が主導する小鼓…

林宗一郎師の挑戦に感動—復曲能『吉備津宮』京都公演—桃太郎伝説の深層@京都観世会館2月12日

あまりに感動したので、かなりラフな感想になるけれどもレポする。「復曲への道のり」と題したネット記事に何回かに分けて復曲への過程が記されれている。今日、林宗一郎師と松岡心平氏が語られた「解説」は、まさにこの長く複雑な過程を短い時間に纏めたも…

失望した新作能『紅天女』@京都観世会館 12月25日

今年見てきた能の中で、最も失望した舞台だった。漫画を能にすることに一体意義があるのかどうか、考えさせられた。たしかに歌舞伎では『ワンピース』が成功している。歌舞伎は大衆芸能だから、漫画と共通した根っこを持っている。だから、漫画の歌舞伎化は…

味方玄師がシテの能『善界(ぜがい)白頭』 in 「片山定期能12月公演」@京都観世会館 12月16日

これ舞台のためだけでも京都までやってくる価値があると思わせる能だった。それは、この演者一覧を見たときから十分予測できたことではあったのだけど。シテが味方玄さんというだけでもすでに「決まり」。さらにお囃子の面々のすごいこと、またワキも若手の…

杉浦豊彦師シテの能『山姥 白頭』in「杉浦定期能」@京都観世会館12月9日

以下に公演チラシ画像を。素晴らしいお能だった。 杉浦豊彦さんがシテの能は今年5月の『小鍛冶』(於姫路城薪能)以来。あんなに躍動的な霊狐のシテだったのに、すっかり忘れていて(イヤですね、歳を取るのは)、ほんとに恥ずかしい。思い返せば、確かに同…

観るべし!<片山九郎右衛門+味方玄>チーム、『鷹姫』@京都観世会館10月22日

台風襲来の中、観世会館の中は熱かった!午前の部と午後の部の2本立て。午前の部を迷うことなく選んだ。片山九郎右衛門さん、味方玄さんの舞台だったから。あらかじめ予想していたとはいえ、片山九郎右衛門さん、味方玄さんの、まるで役の人物が憑依したか…

能『紅葉狩 鬼揃』in「能楽二条城公演」@二条城二の丸御殿台所10月13日

ロンドンに8日いただけで、能舞台が恋しくなった。帰国して早々に湊川神社で能を堪能(これは別稿にしたい)、昨日のこの『紅葉狩』は二つ目になる。しみじみと身体にしみとおり、細胞の一つ一つを潤してくれる感じを実感した。初めて見る『紅葉狩』、期待に…

片山九郎右衛門師の舞う能『養老・水波之伝』in 「京都駅ビル薪能」@京都駅ビル室町小路広場9月9日

九郎右衛門さんの山神、鬼気迫っていた。最後の「急」の舞い、テンポが速くなるにつれ舞いのペースも上がる。さらに煽るお囃子。ついて行くというより、むしろそれをリードする舞い。勢いがある。勢い余るかとみえて、きちんとコントロールされている。やが…

こころに激震——現代能『冥府行〜ネキア』能楽座大淀町公演@大淀町文化会館あらかしホール9月3日

この企画を最初に立てたのはギリシャ人演出家のミハイル・マルマリノス氏。賛同した人間国宝の能楽師、梅若玄祥さんが二役で挑み、他の能役者を巻き込んでの公演だった。昨日の公演、小鼓は人間国宝の大倉源次郎さん。この大淀町桧垣本地区は室町時代、囃子…

片山九郎右衛門師の「乱」の所作があまりにも決まっていた能『船弁慶』@ロームシアター京都サウスホール8月24日第一部

被災地復興プロジェクトの一環。能役者の方々の奮闘公演というだけでなく、実際に募金活動をロビーでされていた。なんか感動。開場直後の午前10時5分に会場についたのだけど、一階席は満席。二階に移動。二階もほどなく満席に。サウスホールのキャパいっぱい…

【囃子Labo vol.3】@京都府立文化芸術会館7月16日

京都の若手囃子方グループ—杉信太朗(笛 森田流)林 大和・林 大輝(小鼓 幸流)・渡部諭(大鼓 石井流)・前川光範(太鼓 金春流)—のワークショップだった。この方々、すでに一度は聞いているので、親しみがわく。とても楽しく、また有意義なひとときを過…

華やかさ、スペクタル度満載の能『張良』in 「片山定期能七月公演」@京都観世会館7月15日

あまり演じらることのなさそうな『張良』。『日本大百科全書(ニッポニカ)』の解説が以下。 能の曲目。五番目物。五流現行曲。観世(かんぜ)小次郎信光(のぶみつ)作。漢の高祖の臣下張良(ワキ)は夢のなかで老翁に会い、馬上から落とした沓(くつ)を拾って履か…

『絵馬』「第二回 風の能」@三田、風のミュージアム水上ステージ 4月28日

「風や水で動く彫刻「で知られる新宮晋氏の作品と能舞台とのコラボ。池に浮かぶ浮島に設けられたにわか舞台での能。客席は池を取り囲む小高くなった斜面に設えられている。能の開始前、斜面上から舞台に向かって、新宮晋作プロペラ様のオブジェがくるくる舞…

能『田村」「noh play -TAMURA-」in 「東アジア文化都市2017 京都」@ロームシアター京都 メインホール

「京都の若手能楽師と現代美術家による作品」と副題が付いている通り、能は能でも新しい形態のもの。「田村」はもともと40分のところを半分の20分に短縮。企画は京都芸術センター。「能x現代美術」のコラボレーションとして作成された。美術はヤマガミ ユキ…

復曲能「星」in 「観世小次郎信光没後500年記念&大槻能楽堂80周年記念特別公演@大槻能楽堂2月4日

二週間経っての記事のアップ。いささかの罪悪感。信光について全く知らなかったので、勉強になった。天野氏と村上氏との「対話」(レクチャー)で明らかになったのは、村上氏が「星」を復曲されたということ。どんな曲になっているのか、期待に胸が膨らんだ…

渡邊守章師の解説付き、能「鵺」 in「能と狂言」@京都芸術劇場 春秋座1月29日

企画と監修は渡邊守章氏。数年前からこの時期にこの企画が進行中らしい。私は初めて。渡邊守章氏の『繻子の靴』をこの春秋座で先月見たばかり。といっても全4日という長〜い芝居の半分のところで、体調が悪く頓挫した。口惜しかったのが、それまでの3日間を…