yoshiepen’s journal

さまざまな領野が摩擦しあい、融合し、発展するこの今のこの革命的な波に身を任せ、純な目と心をもって、わくわくしながら毎日を生きていたいと願っています。

なんともシュールだった忠三郎さんの狂言『成上り』@京都観世会館8月24日

壺齋散人さんの「日本語と日本文化 能について」というブログに、この演目の詳しい内容が載っている。リンクしておく。 以下が演者。 太郎冠者 茂山忠三郎 主人 山口耕道 すっぱ 丸石やすし 後見 増田浩紀 主人から預かった太刀を寝ている間にすっぱに抜き取…

橋本光史師シテの能『安達原 黒頭』in 「井上定期能」@京都観世会館 8月24日

前場からすでにドラマチック。糸車を繰る時の老女の穏やかさが、「閨を見るな!」と言い置く時には尋常ならない厳しさになる。この穏と激との対比を、橋本光史師はくっきりと際立たされて、秀逸だった。 後場は今までに見た『安達原』中、最もヴィジュアルだ…

勝部延和師シテの能『隅田川 彩色』@京都観世会館 8月24日

勝部延和師、地謡方に入っておられるのは2回拝見(拝聴)したのだけれど、シテとして演じられるのを見るのは初めて。勁い謡で、しかも聴いている者の心に響く繊細さが滲み出ていた。普通の観世流のものとはちょっと違うような気がした。後で井上裕久師のお…

七之助=政岡の身体に注目『伽羅先代萩』in 「八月納涼歌舞伎」@歌舞伎座 8月15日第一部

「御殿」と「床下」のみだったけれど、『先代萩』のキモの部分はしっかりと伝わってきた。逆に人物の対立構図がくっきりと明確になって、初めて見る人にもわかりやすかったのでは。 七之助の政岡は、私が今まで見てきた政岡の中で最も説得力がある政岡だった…

「物語」のコラージュでシャレのめした猿之助・幸四郎の『東海道中膝栗毛』第四弾 in 「八月納涼歌舞伎」@歌舞伎座 8月15日第二部

第1作は実際の舞台で見て、第2作はシネマ歌舞伎で見ている。第2作は特に面白く、シネマということもあり二回も見てしまった。江戸戯作の諧謔精神に満ち満ちた作品で、随所に入れ込んだモジリ・モドキのあまりにものハマりように嵌った。第1作よりかなり…

公演記録映画会(於国立文楽劇場小ホール)『假名手本忠臣蔵』七段目「一力茶屋」の場@国立劇場 1984年7月

配役の載ったチラシが配布されたけれど、「歌舞伎データベース」からの配役を以下にアップしておく。 大星由良之助 = 片岡孝夫(現 片岡仁左衛門) 寺岡平右衛門 = 坂東八十助(10代目坂東三津五郎) 遊女お軽 = 中村芝雀(現 雀右衛門) 大星力弥 = 片岡孝…

新たなる章へ! 羽生結弦選手の「マスカレイド」in 「ファンタジー・オン・アイス 富山」

映像でも羽生結弦さんと会場との一体感の熱度の凄まじさが伝わってきた富山公演。「羽生結弦物語」の総決算であり、始まりでもあったように思う。 リングに頭をつき、すべてを出し切って燃え尽きたかのような羽生結弦さん。おもむろに立ち上がって、ToshIさ…

次のステージへ!羽生結弦選手の「「Crystal Memories」in 「ファンタジー・オン・アイス2019 富山」

自然な流れ 反芻される記憶 クリスタルが表象する記憶の集積 限りなく上のステージへ 解放と上昇—より過激に、より奔放に! 富山ヴァージョン 録画ではなくYoutubeのものを使わせていただきました 自然な流れ 幕張の時と比べると所作のつなぎが流線を形成し…

世阿弥美学の顕現−—片山九郎右衛門師の舞囃子「井筒」 in 「TTR能プロジェクト企画公演 和魂VI 世代競演・時分の花」@湊川神社神能殿 7月28日

演者さんは以下の方々。シテも地謡もお囃子も当代トップの方々を取り揃えての贅沢な舞囃子だった。 シテ 片山九郎右衛門 地謡 河村晴道 味方玄 林本大 山田薫 笛 左鴻泰弘 小鼓 成田達志 大鼓 山本哲也 太鼓 前川光範 作者の世阿弥自ら「上花也」(『申楽談…

『国言詢音頭(くにことばくどきおんど)』開場35周年記念文楽公演 第3部@国立文楽劇場7月31日

「五人伐り(斬り)」から想像するに、『伊勢音頭恋寝刃』と似たような演目だと予想していたのだけれど、若干違った。というのも、『伊勢音頭』の方は長いサーガの断片であるのに対し、こちらは「五人斬り」で始まり終わる。『伊勢音頭』のような物語的背景…